心理学の本を読んで思うこと

ところで、『トラウマ返し』(小野修著 黎明書房)という本その中で少し気になる記述があった。 「心理学の勉強を熱心にし、本の通りに対応しようとする親」についてであった。それってまさに私ではないか。それは子供を苦しめることもあるし、親自身をも窮屈…

『トラウマ返し』(小野修著 黎明書房)という本を読んだ。 子供が思春期頃、或いは大人になってから、親に対し、「今まで親から受けてきた心の傷」について訴えてきた時の、親の振る舞い方。と言えばわかりやすいだろうか。 『毒になる親』(スーザン・フォワ…

「優しい父親はダメだ」ということが書いてあった雑誌を見たことがあります。それを読んで、誤解する人もいるのではないだろうかと思いました。 じゃあ「怖い、厳しい父親が良い」のか。 いや、「そう極端じゃなくても、やっぱり優しい父親はダメ」なのか。 …

心理学を勉強しながら、例の一つとして、自分に対し、簡単に心理療法を行ってみることがある。いくつか試みたことがあるが、その時に、自分が「私はストレスに耐えるために、どんな行動に出ているかを知っており、どんな風に誰に話を聞いてもらえるかを知っ…

どういった経緯で心理学に入りこんでいったかを前回書いたが、最近親が子供を殺してしまうような事件をニュースで聞くにつけ、人の心理について考えずにはいられない。 動悸がするほどに胸をしめつけられる。子供は信頼するしかない自分の親に、苦しい思いを…

読んできた心理学の本をたどっていくと、最初は『トラウマ』(ディビット・マス著 大野裕監訳 村山寿美子訳 講談社)だった。阪神大震災を経験し、その後、新聞を読んでいると、そこで、人々は‘トラウマ’に支配されることがあるということを知った。生きている…

『こころの科学 140 子どもの悩みをきく』(日本評論社)を読んで感じたこと。 こういったことを読んで、自分が親として、子どもの悩みの一端でも聞けるようになればという思いはあるが、なかなかそれも難しいだろうということを、残念ながら感じる。 せめて気…

『こころの科学 140 子どもの悩みをきく』(日本評論社)を読んで。続きます。 今回は、抜粋ばかりで申し訳ないですが、私の感じたことに関しては、次回に載せたいと思います。一文一文の内容に重みを感じるので、この本に関しては一回分を短めに区切りたいと…

『こころの科学 140 子どもの悩みをきく』(日本評論社)を読んで、確信を持ったことがある。 これに寄稿している方々は、カウンセラー、心療内科、学校の先生、保健室の先生、大学の教授、少年院の先生など様々な立場の人がいる。それぞれの考えで、「子供の…

『発達とは矛盾をのりこえること』(白石正久著 全障研出版部)から、『大地』を書いたパール・バックについての記述がある。 「パール・バックは障害をもった一人の娘がいました。彼女は、その娘の手をもって文字の練習をさせ続けていたのです。ある日、娘の…

前回、子供の発達の矛盾について、『発達とは矛盾をのりこえること』(白石正久著 全障研出版部)から、書いていったが、これは親にも言えることなのだ。―と白石さんも言っているような気がする。 子供にそうしてほしい、こうなってほしい、こうあってほしいと…

白石正久さんの著書『発達とは矛盾をのりこえること』(全障研出版部)から、続きます。 彼の本の至る所に、子供の成長に関するヒント、考え方のヒントが書いてある。その目線は、とても優しく、根気強く、子供の気持ち、そしてその親の気持ちに沿っている。 …

『発達とは矛盾をのりこえること』(白石正久著 全障研出版部)を読み、考えさせられることが多かった。少し読んでは、自分の中でかみくだいて、納得し、また読み進めた。 私は専門家でもなければ、白石さんて方をこれっぽっちも知らないが、相当達観している…

……結局「良い」って何だろう。 色々考えました。 良い教育って、世間に言われている教育が子供にとって本当に良いのだろうか。子供にも合う、合わないだってあるはずだ。 その子供一人一人にとって、「良いとされている教育」が合わない時、その子は悪い子な…

しつこいようですが、誤解のないよう、念の為に「悪い」「良い」のおさらいを。 前回書いたことを反芻すると、無責任に思われるでしょうが、本当にそれくらいでも良いのかもしれない。 ただ、「本当に」無責任かどうかは別で。自分が楽しいと思うことする時…

では、こういうことを前提とするなら、じゃあ「悪い」母親って何だろう。暴力など感情的に力でもって相手を支配するなど、肉体的な面で虐待をするのは見るからに悪い親だ。「生まれてこなきゃ良かった」「いなきゃ良い」などという言葉で傷つけるのももって…

『よい「子」と よい「お母さん」』(講演集 橘由子講師 信田さよ子講師 ぼちぼちBOOKS)『アダルト・チルドレンという物語』(信田さよ子著 文春文庫)を読んで、の自分の気持ちの大きな変化について、続きます。 子供に対し、無意識に色々強いていた自分に気づ…

『よい「子」と よい「お母さん」』(講演集 橘由子講師 信田さよ子講師 ぼちぼちBOOKS)『アダルト・チルドレンという物語』(信田さよ子著 文春文庫)を読んで、とても気持ちが軽くなった。子育てのことで、いかに自分が、良い母親であろうという無駄な努力(笑…

人に優しくありたい、ということから、ある本のことを取り上げているが、もう一つ気になったのが、心の醜い部分やストレスを極力落とすべきだという考えを著者が持っていることだった。心理学をほそぼそと勉強している者にとって、それは流せないことである…

人に優しくありたいと、強く思わせられた本は、とても自分に厳しく、人にも厳しい内容だった。 その著者自身が、とても優れた方で、さらにあらゆる努力を惜しまず、頑張ってこられたことには頭が下がる。しかし、それを周りの人に同じようにしなさい、それが…

人に優しくありたいなあとつくづく思った出来事があった。 ある本の内容を知った時に起こった感情だ。 もう10年以上も前の話になるが、当時、社会人となった知り合いが、その時の大学生を見て眉間にシワを寄せ、「最近の大学生は……。」と不満を言い出した。…

前回の「人と比べてしまう」ことについての続きだ。 わが子を育てている時に、つくづく自分は駄目な母親だと落ち込むことが多々ある。子供はこんなに父親、母親を欲しているのに、自分は応えきれない。自分の思うような反応を自分で示せない。自分は精一杯や…

怒りや甘えから、「嫉妬」という感情、さらに「人と比べる」ということも考えてみる。 本当なら、人と比べることほどバカバカしいことはない。子供を見ていてそう思う。が、現実世界では、つい比べてしまうんですよね。あっ私は駄目だなあ。できてないなあっ…

「怒り」「甘え」からつなげて、「嫉妬」について考えてみることがある。 「羨む」という言葉もありますね。 「人を羨む」というのは、あからさまにすると下品だし、マイナスの感情かもしれない。 しかし、心理学の勉強をしていくうちに、それが自然な感情で…

さらに、「甘える」ということと、その言葉について。 実際に「甘える」という行動は、わかりやすい。例えば恋愛中のカップルはお互いに甘えあう。子供が親にベッタリする。そういうことだけではなく、大人になった家族同士、友達同士ではどうだろうか。ちょ…

言葉の持つ力について考えてみた。 私について言えば、元々よく喋る方だったのだが、色々な環境で、大人しくあまり喋らないタイプになっていった。それが夫と結婚したことで激変。いや、元に戻ったのかな。夫は私より言葉に意識的で「人のいさかいは、コミュ…

怒りについての話は続く。子供ができてから、怒りを抑えられないことが出てくるようになってきた。 子供が本当にカチンとくる言い方で、わざわざ怒られたいがためにわがままを言っているように聞こえる時がある。真意がそこにないとわかっていても、どうして…

子供が、自分の物心つき始めた頃の年齢に近づくにつれ、怒りについてよく考えるようになった。そこで『話すことが苦手な人のアサーション』(平木典子著 伊藤伸二著 金子書房)を薦められて読んだ。 以前は「私自身が怒る」というものについて、とてもハードル…

『悲しみの子どもたち』(岡田尊司 集英社新書)を読んで、またたくさんのことを思い知った。犯罪を犯してしまう子供たち。中でも、従来の非行少年と違って、最近注目されている「普通の子」に見える子供たち。 先に書いた『なぜ「少年」は犯罪に走ったのか』(…

心理学の勉強をしていると、やはりどうしても勘違いされるのが、自分の子供も立派に育てているのだろうと思われることだ。自分の感情を客観的に分析し、コントロールする。そして、周りの人たちと上手に距離を取りながら、冷静に応対する。色々な人の心を読…