心理学の本を読んで思うこと

『男の子の脳、女の子の脳』(レナード・サックス著 谷川漣 訳 草思社)から、さらに耳の話。 本によると、「新生児350人を調査した結果、女の子の聴覚は男の子よりはるかにすぐれていて、とりわけ話し言葉の識別にごく重要な1000〜4000ヘルツの範囲の音には敏…

男の子の目の細胞は、白や黒を感じ取るもので、他の色にはあまり反応しない。ということを前回書いた。きちんとそういったことに対し、意識的にならないと、反応してこないのだ。画家など男性も多いし、段々その細胞の性差の違いは小さくなっていくという。…

さて、いよいよ『男の子の脳、女の子の脳』(レナード・サックス著 谷川漣 訳 草思社)の内容だ。 一番に興味をひいたのが、目の細胞についてだ。 目の網膜から送られるシグナル。そのシグナルがどこに向かうかと言えば、神経節細胞だ。その細胞が男女で違うと…

『男の子の脳、女の子の脳』(レナード・サックス著 谷川漣 訳 草思社)を読んで、‘目からウロコ’だったことがたくさんあった。 それまでに、夫婦のことで考えるところがあり、大人の男女に関して、考え方の違いを読んだことはあった。例えば男の人は一つのこ…

「赤ちゃんの頃、女の子の手に取るおもちゃと男の子の手に取るおもちゃにさほど違いはない。与える大人が先入観でもって区別してしまうのだ」という言葉を皆さんは信じますか?そういう文を読んだことがあるが、私にはどうしても信じられなかった。 だって、…

男の子と女の子の違いについて、以前から感じることがあるので、それに関しても書いていきたい。 生まれたばかりの赤ちゃんは男女の差などないという説を唱える人も結構多い。しかし育てながら、それは違うと実感する場面に多く出会うし、話もくどいと思うほ…

『アダルト・チルドレンと家族』(斉藤学 学陽書房)を読んで、なるほどな〜と納得した部分があったので、それについて。 自分が落ち込んだ時に、どう自分を立ち直らせるかという話だ。コツがあると言う。人それぞれ、共感する曲を聴いたり、元気の出る曲を聴…

さて、そんなことを書いた上での親子の愛情について、もう一つ。 胸を打ったことがあったので。某新聞に連載されていた、家族の体験話だ。 お母さんを交通事故で亡くしたという家族。交通事故一つで、一人の命が奪われ、遺された人たちの思い。一つ一つがど…

実は、親が子の前である程度演じなければならない、と私自身が実感した瞬間がある。 きっかけは、私が泣いた時のことだ。泣き虫の私はそれまでも(今でも)、しょっちゅう泣いていたし、子供の前でも平気だった。 0〜2歳の息子が泣き叫ぶと、私のイライラが…

親と子の関係は単純であってはならないし、普通はそうならない。風通し良く、何でも話し合える家庭であることは重要だ。会話は度々あり、それが議論になったり喧嘩になったり、話し合い妥協したり摩擦を起こしたりする必要はある。 しかし、子供にとって、大…

子供にとって母親は一番の存在だと書いたことがあるが、実際に色々な例を本で読み、周りの話も聞いて、しみじみ感じた。 精神的に、母親との依存関係から離れられない子供も、その離れられない苦しみを訴えつつ「でも私の母親はこんな優しかった」「こんな良…

よく書いている「心のメカニズム」について、心理学者やカウンセラーたちの書いた本を読み、私なりの解釈を書いてみたい。 「例えば何かショックなことが起きる→何かを感じる→時間が経ち落ち着く→どうするか考える→行動する(行動しないことも含めて)」などと…

『なぜ「少年」は犯罪に走ったのか』(碓井真文著 KKベストセラーズ)を読んだ。 この手の心理分析には、作者の偏った考えが表れるという。こういう方面の研究をしている人だから、こういう結論にする傾向がある、こういう考えの論文が多い、など。 彼の本の…

時々起こりますね。家族内や友人間、教師と生徒との間での恐ろしい殺傷事件。 先日の会津若松市の事件については、記憶に新しい人もいるだろう。 様々な事件について、加害者となった人たちは、幼少期からの育てられ方、両親の接し方が、専門家によってカウ…

心理学の本を多く読んで、知識が増えていくのは良いことだし、実践する機会があるのも良いことだ。子供に良い影響を与えることも、時にはあるわけだし、人が困った時に、どんな風に話を聞けば良いか、どういう風に受け止めれば良いか、相手の気持ちや自分の…

夫婦仲が良いことは、子供にとても良い影響を与える。というが、「仲が良い」というのは、別にいつもベタベタしているという意味ではない。さらに子供がいると、なおさら「夫婦」を意識するのは難しい。理想的なお父さん像、お母さん像があって、それを演じ…

甘えることと、甘やかすことの違いについて、尋ねてくる友達が多いので、それについて少し書いていこう。 まずは、こうしたからこんな子になる、という図式は成り立たないことをよくわかっておかなければならない。甘やかしたからこうなった、と安直に言えな…

A君が読んだ本と、A君の反応、そしてそのお母さんの反応に関して、もう少し続けさせて下さい。 子育てはマニュアル通りなんかいかない。今までマニュアル通りいってる人がいるとしたら、まあ人生どこかでマニュアル通りにはいかなくなるから、その時を覚悟し…

さて、先日のA君の話の続き。 あんな時、皆さんならどう対処しますか?別にこうでなければならないという、きっちり正確な答えはありません。 そして私は素人なので、自信を持ってこういう対処をしなさい、とは言えない。 今まで読んできた本を合わせて、私…

少し前になるが、息子ととても仲良しの男の子のお母さんの話を聞いて、気持ちを動かされたので、その話をちょっと。 その子は、男の子らしく活発で身のこなしも上手。元気な子。A君としましょう。で、そのA君の心が面白い。男の子らしくて元気が良いのとは裏…

よく「心理学の本」と書いているが、読んでいるのは、プロのカウンセラーや臨床心理学士などの専門家たちの書く本がほとんどである。 専門家たちは、勉強による積み重ねと、もちろんそれだけでなく、出会ったクライエントとその家族たちとの多くの対話と、お…

さて、前回の文から、少々無理した態度を取らなければいけない親のことを書いた。 頑張ってるよ、これ以上無理しなくちゃいけないの?って疑問を持った方もいるかもしれませんね。 子供の前で気分的な余裕を持ち、前向きに生きている姿を見せるためには、色…

『家族依存症』(新潮文庫 斉藤学)の話の続きである。 前回、「母子カプセル」にはまってしまう子供の話を書いた。子供の精神を健全に育てるには、母親自身が幸せであると実感できるように、できるだけ毅然と前向きに生きていかなければいけないということだ…

『家族依存症』(新潮文庫 斉藤学)という本を読み、興味深い内容だったので、印象に残ったところをまとめたい。 特に「母子カプセル」の下りは、考えさせられるものがあった。 作者は、母と子の、双方による依存関係があることを、母子カプセルと呼ぶ。 例え…

『ちゃんと泣ける子に育てよう』(大河原美以著 河出書房新社)という本を読んだ。 この作者は、「良い子に育てよう」という意識を強く持たない方が良い、ということを一番に言いたいようだ。また、大人の思う‘良い子’が、いかに子供にとってプレッシャーで、…

心理学の本を多く読んでいると、問題のある大人や子供ばかりを扱い、その人たちの原因を探って、カウンセラー、心理士、精神科医、が考えをめぐらせ、何とか光を見出すように誘導していく様子が描かれている。 そういうのばかりを目にすると、こうしなければ…

心理学の本を読み、それによって得たもの、感じたことを書いていっているが、ここでどうしても一言書いておきたいことがある。 本を読んで「なるほどね!」と思っても、私が実践していることは、半分位だ。実践できたとしても、すぐに忘れちゃって、我が子の…

『心の痛みのセルフコントロール』(ジョン・プレストン著 大野裕監修 岩坂彰訳 創元社)は、セルフコントロールと言うより、子供の気持ちを考える上で、とても参考になった部分が多かった。その中で、心理学の本を読んでいると、よく出会う考え方を上手に表現…

赤ちゃん返りをする4歳の息子に、つきあってやっているうち、2ヶ月近くが過ぎた。 息子は体調が悪いと、夜なかなか眠れなくなる。それでついつい怒ってしまう。「寝付かせる時、子供が寝ないからといって一番してはいけないことは、お母さんがイライラするこ…

4歳の息子に、甘えが一時激しく出ていた。 よく、親が第二子やそれ以降の子供を妊娠したと気づくか気づかないかのうちに、上の子は第六感が働いて、赤ちゃん返りがあると言われますよねぇ。 でも、私は明らかに妊娠していない。なのに、なんで〜?って思うほ…