「赤ちゃんの頃、女の子の手に取るおもちゃと男の子の手に取るおもちゃにさほど違いはない。与える大人が先入観でもって区別してしまうのだ」という言葉を皆さんは信じますか?そういう文を読んだことがあるが、私にはどうしても信じられなかった。
 だって、少なくとも我が子や周りの男の子、女の子を見ても、同じおもちゃを手に取っても関心の持ち方が違うからだ。男の子も女の子のおもちゃに手を伸ばす。逆も然り。そして遊びに興じる。そこまではよく見る光景だ。しかし、時間が経つにつれ、勝手に子供たちは気に入った方ばかりを選ぶ。時には、異性が遊ぶと大人が思っているようなおもちゃに手を伸ばし、親もまき沿いにして遊ぶ。が、またすぐ飽きる。
 我が息子は、色々と熱中しているものがあるが、熱中した最初の物は、新幹線だった。何系が何両編成だとか、どこを走っていて、どんなシートだとか、やたらに詳しく、私にはまったく興味のないことだった。話しているうちに覚えたこともあるけど。
 幼い女の子は、赤ちゃんの頃から動物が好きで、お母さんの真似をしたがる子が多いものだが、男の子は、断然乗り物。生き物でも動物より昆虫。
 もちろんそうじゃない子もたくさんいるんだけどね、書物で読んだだけじゃなく、周りでもそういう傾向にあるのだ。
 女の子の方が、早くから自意識があるので、何でもませるように見える。言葉の早さも、人と比べてどうだとか、仲間意識だとか。そうじゃない子も多いが、比較的穏やかで従順な子も女の子の方によく見る。もちろん大変な子もいますよ。女の子で大変な子は、男の子のやりやすい子よりは圧倒的に大変だ。しかし、そんな子でも、男の子の大変な子とは比較にならないのだ。また、赤ちゃん時代には既にトイレトレーニングのこともある。なので、母親としては、早く成長する我が子を見て安心してしまうことがある。
 そして、男の子を持つお母さんの気持ちなど理解に苦しむのだ。
 でももちろん、「女の子が楽だ」と言っているわけでもないですよ〜。我が子が赤ん坊の頃の、お母さんの対応は、男女関係なく「必死」です。もちろん妊娠前と同じ生活を同じペースで送れるはずもなく、文字通り「髪の毛振り乱して」何とか毎日を過ごす。あれやこれやと試行錯誤しながらね。しかし「必死」であることによって、赤ん坊も少しずつ成長していくことができるわけで「あーもーいやだー!!」となってしまうお母さんも、そうなるほど必死だから、赤ちゃんが順調に育っているのですよ。そこに男女差など関係ない。
 さて、大人の男女の違いについての本は多く出ているが、子供、とりわけ赤ん坊についての性差はあるのかということを調べたくて、色々本を読んでみた。
 『男の子の脳、女の子の脳』(レナード・サックス著  谷川漣 訳 草思社)という本を読んで、目からうろこが落ちるようだった。
 まだ研究が浅いということもあるが、真実もある。是非そのことを取り上げたい。