A君が読んだ本と、A君の反応、そしてそのお母さんの反応に関して、もう少し続けさせて下さい。
 子育てはマニュアル通りなんかいかない。今までマニュアル通りいってる人がいるとしたら、まあ人生どこかでマニュアル通りにはいかなくなるから、その時を覚悟していかなくちゃいけない。それでもまだ強引に通す人がいるとしたら、どこかで歪が出てくるらしい。これは単に私の持論ではありません、念の為。(そもそも私にはまだ経験がないゾ。)
 だけど、子供が自分の予想外の反応を何か見せた時は、ただ共感してやって、あとは親がそれに対して素直な反応を示すだけで良いと言う。
 一応、こんな対処したら次は戸惑わないかもよという案は示しておいたが、私の意見としては、A君のお母さんが戸惑って一生懸命対応したというだけで、A君にとっては意義があったやり取りなのだ。素敵な親子関係がまた一つ築き上げられた。
 困った時、戸惑った時、どうにかしてあげたいと思った時、本で読んだような応対は役に立つ。実際それは子供の情緒を安定させる。でもいつもいつも余裕のある対応を子供は心の底で望んでいるわけではない。本気になる親の対応が子供の心に響くこともある。怒ったり戸惑ったり感情的になったり。そしてもちろん、子供の方からの反応はあまりに突拍子もないことがあったりして、それはむしろ親子関係に新しい展開を呼んでくれる。
 
 そしてつくづく思う。皆さんの臨機応変な子供への接し方、自然な態度、それで充分子供たちに温かいものが伝わっているだろう。色々な場所に出ると、えっそんな対応じゃマズイでしょってな場面に遭うことも結構あるけど(笑)、私の知っている周りのお母さんたちは温かい。心理学の本を一生懸命読んでいる私なんかより、よっぽど上手に対応していると思う場面が多々ある。良いなあ、自信持ってほしいなあ、と思う瞬間が多いです。