夫婦仲が良いことは、子供にとても良い影響を与える。というが、「仲が良い」というのは、別にいつもベタベタしているという意味ではない。さらに子供がいると、なおさら「夫婦」を意識するのは難しい。理想的なお父さん像、お母さん像があって、それを演じていたとしても、子供にとってそれはどう映っているのか。
 個人の思いがあるとしても、子供の前で、親はやはり親でなければいけない。
 そして夫婦の思い。お互いを思う気持ち。
 これがそれぞれの家庭、夫婦の在り方で違うので細かいことまでは言えないが、お互いを思う気持ちは、決して子供の前で見せ付けるものでもなければ、お互い遠慮しあうことでもないということだ。ここは重要ですよ。ベタベタと仲良く、子供がいないかのように振舞うことは、子供を傷つける。しかし、夫婦間で、変に意識して距離を置いていると、子供は敏感に反応するものらしい。夫が、妻が、こう思っているだろうから、今こうしたいだろうから、などと自分の中で考えて、「じゃあこうしてあげよう」「こうしないでおこう」と対処していくことで、すれ違うことはたくさんある。夫婦って別々の人間だからだ。所詮他人とか、そういう問題じゃなく、親子間でもそういうことってあるでしょう?子供に良かれと思ってやったことが、子供にとっては迷惑だったこと。自分もそういう経験がありますよね。親が喜ぶだろうと思ってやったら、ちょっと複雑な顔されたり、怒られたり注意されたり。
 夫婦も同じ。特に男性は、言葉に出して言わないと伝わらないことが多い。こうしてほしい、ああしてほしいと。女性も女性で、わかっていても言葉に出してほしいと思っている。男性も女性も、結局は、言葉にしないといけないのだ。お互い。つまり、自分の感情を表現しあえる夫婦。その間に多くの会話があった方が良い。会話が少なくても、それが自分の感情表現であり、素直な気持ちであるのなら、それも良い。相手の感情に対して探り探りでないこと、感情を素直に表現できること。そのためにお互い、何らかの言葉が必要だ。それが、本当に「夫婦仲が良い」ということではないだろうか。どうでしょう?
 よく、傍から見て「夫婦仲が良さそう」と言われる夫婦が実はそうでもないことがある。いつも一緒に行動していたり、表面的なことから仲が良いとされるようだが、時にはケンカしてでもお互いの感情をわかり、自分の気持ちに素直でいる方が良いだろう。子供はそういったことをとても敏感に察する。子供の前で、旦那さんや奥さんの悪口を言いそうになったら、その文句を、言葉に工夫しながら直接本人に言うことが良い。愚痴の多い親を子供は守ろうとする。また遠慮と緊張感のある夫婦の子供は、不安な気持ちを外で発散する。
 もし、これを読んでいる女性が、ダンナさんのためだと思って遠慮して言わずにいることがあれば、是非真剣な気持ちで口に出して下さい。奥さんのことを思い、子供のことを考えている人なら、きちんと向き合ってくれるはずです。
 もし、これを読んでいる男性が、しばらく奥さんを誉めていなかったら、何か見つけて誉めて下さい。きっとダンナさんに感謝し、優しくなるはずですよ〜。むふ。