帰国子女

アメリカで知り合った夫の出現は、そうした私の気持ちをまったく気負いのないものにしてくれた。夫は完全に日本的であったが、知性で外国人たちの考え方を理解し、帰国子女である私を知ろうとしてくれた。そして何より夫には「表現力」と「素直さ」があった…

数字を頭の中で唱える時に、その人の慣れ親しんでいる言語が表れると聞いたことがある。私は実は日本語も英語も両方出てくる。多分「セサミストリート」で耳が腐るほど、数字を数え上げるシーンを見てきたからだと思う。だから「必ず日本語」ってこともなけ…

日本人の英語に対するコンプレックスを少し書いたが(そんなもの持っていない人いると思うけど)、私が書きたいのは、そういった気持ちを置いておいて、皆もっと堂々とすれば良いのにということと、そのせいで帰国子女も堂々とできないことである。 国際的な学…

一人カラオケをしてみて、洋楽を歌いながら、何かが自分の頭の中ではじけた。 私はペラペラなんかじゃない。ペラペラじゃないからと堂々ともできない。歌にしても全部を初見でも歌えない。単語は幼児期に知ったもの+αくらいしかわからない。言い回しもすご…

とうとう行ってしまった。前々から行きたいと思っていた「一人カラオケ」ってやつだ。 音楽のカテゴリーに入れようかと一瞬迷ったが、いやいや間違いなくこちらだろう。 以前から「一人カラオケ」に行きたいとは思っていた。私はそれほど歌が上手でもない。…

音楽のカテゴリーに入れるか、ここの帰国子女のカテゴリーに入れるか、だいぶ迷ったが、まあ帰国子女かなと思い、こちらの方針で書いている。 以前、家族でカラオケに行った時、『はじまりのうた』の‘A STEP YOU CAN’T TAKE BACK’が歌いたくて、色々探した。…

映画を観ていて、ほんのちっちゃなことばかりだが、英語を聴き取れる時にそのニュアンスを考えてしまうことがある。本当に大した部分じゃないです。 『オデッセイ』の中で、「hey there」と芽吹いてきた葉っぱに声をかけるシーンはすごく良いのだが、これは…

これを書いているのは、映画『オデッセイ』を観た直後で、まだまだ興奮さめやらぬ頃。詳しくは映画のカテゴリーに書いたので後ほどなのである。 『オデッセイ』が良かったのは、ストーリーそのものなのだろうか?そういうことを追求しだすとよくわからないの…

情けない私の英語に対する取り組みを、恥ずかしいことを承知で打ち明けているが、そんなわけで、私は英語が得意でなくなっていった。でも高校生になってからも苦手意識は全然なかった。おめでたいのだが、でもきっとこの程度でも話せばなんとか通じるからと…

帰国子女である私だが、そんな私の息子が、中学に入り、本格的に英語を勉強することになり、一学期、大いに心配した時期があった。こんなこと心配するのか?いやいや予測できなかった。そりゃもうめちゃくちゃ心配だったのだ。 英語は、多くの生徒にとって初…

帰国子女と言えば、英語ができると思っている人も多いだろうが、私が住んでいた3歳〜7歳というのは、英語力を鍛え、保ち続けるには幼すぎた。 英語の勉強も努力してこなかったから、高校生の英語は「できない」方の部類だった。 帰国子女と言っても、何歳の…

いまだに、帰国子女であることを意識せざるを得ない場面がある。又、人の意見を聞いて、帰国子女「だから」こう思うのだろうという風に考えることを受け入れてもいる。 人と話す時に、帰国子女だということを明かすと、もう慣れているのは「英語が話せるんで…

「帰国子女」という立場は、なかなか理解されないという実感がある。少数派というのはなかなかその立場を理解されず孤独なものだ。そのイメージは、カッコつけているとか、カッコ良いとか、否定的にも肯定的にも特別視をされる。英語ができるんでしょう?と…

なんだよーやっぱりここか私のツボは。ため息が出る思いであった。 スクールカウンセラーは「そういうのをトラウマっていうんですよ。」と言い切った。初めて専門家に言われた。「トラウマ」って。しかも、帰国子女で体験した漠然とした思いをそのように言わ…

息子が小学校に入り、参観日に行く前の日から、私はいつも自律神経が緊張するのか、交感神経が優位になり過ぎて、よく眠れず、当日も動悸がして辛く、学生時代の友達に連絡をし、毎回励ましてもらいながら、学校に行った。母にも受け止めてもらった。 何とか…

以前、私は帰国子女であることについて、トラウマから抜け出せそうだと、随分力説をしたはずなのだが。……残念ながら、まだであった。 とか、軽く書いてみているが、本当にとても根深くて自分でもビックリしてしまった。前回書いた時なんか、まだまだだったん…

バク転。 また夫に呆れられた。だって、「バク転」の「バク」ってさあ。 バク転は、後ろに反りながら飛び上がって、そのまま逆立ちのように手をつき、その勢いでさらに立ち姿勢に戻る。そんな説明しなくても良いか。でも、それを「バク転」だと思っていたが…

帰国子女の、日本での英語発音について書き連ねたが、『モヤモヤさまぁ〜ず』の、狩野恵里アナウンサーに話を戻しましょう。 かのうちゃんは、アメリカからの帰国子女である。発音は良い方だが、時々どうしてもカタカナ英語が出てくるので、幼少期の滞在では…

『モヤモヤさまぁ〜ず』に出ている女子アナウンサー、狩野恵里さんについて書いている。我が家では「かのうちゃん」と勝手に親しみをこめて呼んでいるので、そのまま書きます。 『モヤモヤさまぁ〜ず』は、色々な街を散歩して、そこでグルメとか観光とかで有…

アナウンサーで、最近注目している人がいる。 『モヤモヤさまぁ〜ず』に出ている狩野恵里さんです。我が家では「かのうちゃん」と呼んでいる。 『モヤモヤさまぁ〜ず』は、そもそもさまぁ〜ずを面白いと思っている夫と息子、そして大ファンである私が、さま…

またやってしまった。苦手なカタカナ。 確か、夫とクロスワードの話をしている時だった。 いまどき、女性には当たり前に聞かれる「マカロン」というお菓子。劇的においしいわけではないのだが、歯ごたえが絶妙に良くて、色々な香りが楽しめる、そして何と言…

また出た! 「ターナー」が‘turner’のことだった。 いつものごとく、最初から気付いたわけではなく、「あっ、‘turn’か!」と言ってからのことです。だって、「ターナー」ですよ。「棚」を、フザけて「たーなー」って言ったみたいじゃないか!「じゃないか!…

時々その後も、カタカナ表記の驚きはあるのだが、またこの前、ビックリしたことがあった。「ウオーミングアップ」である。 「クールダウン」という言葉を聞いた時に「なるほどね、体を落ち着かせるのね。」と思った。アップに対するダウンである。そして「ク…

今住んでいる所は、元々私が住んでいた関西より、ずっとずっと田舎。閉鎖的で、保守的で、ヨソ者を受けいれる度量が狭い。 多くのお母さんが、さらにその親を頼って、自分の子供を見てもらっていて当然であるという家庭がとても多く、我が家のような、双方の…

私の中では、「帰国子女である」という苦しさは、日本の一般的な公立小学校で、ちょっとした違いを受け入れられない先生やクラスメイトたちへの苦しさなのである。その空間の窮屈さや息苦しさ、教育に対する不満、苛立ち、わかってくれないだろうという思い…

そうこうしているうちに、私は、光を見出していった。 それは突然やってきた。やってきた、というより、気づいたのだ。 息子のことを機に、色々な人と話したことが、今の私の気持ちへとつながっている。 帰国子女であることの葛藤については、いつもまずは夫…

ある先生の、僕はこんなに考えていて、こんなに優れているといった発言や態度で、怒りを感じたのだが、口先ばかり良いことを言う、という内容にも腹が立っていた。 その後、クラスにほんの少し変化は見られている、と先にも書いた。しかし、私はその先生に抗…

私の学校に対する葛藤は「窮屈」である。 それぞれの「違い」を、バカにしたり、意地悪く言ったりする対象にする傾向、風潮が、昔以上に強くなっていて、それを先生が容認するムードが出来上がっている。 私はそれを、非常にストレスに感じている。 1年生の…

そのうち、息子は自分で決断を下すことに慣れていった。 周りの目を気にすることなく、自分の判断に理由をつけて考え、自己主張するようになった。それはあまりにおかしいことなのではということは、改めて考えさせた。 でも、基本的に、あなたはそれで良い…

子供ができて、育てる時に、私の中でよみがえるのは、アメリカで観たテレビ番組や、学校での様子である。ハッキリと自分の意見を言い、自分の意見を言えない人は、自分の考えを持たない人であると見なされ、生徒同士ばかりでなく、先生からも軽蔑の眼差しを…