アナウンサーで、最近注目している人がいる。
 『モヤモヤさまぁ〜ず』に出ている狩野恵里さんです。我が家では「かのうちゃん」と呼んでいる。
 『モヤモヤさまぁ〜ず』は、そもそもさまぁ〜ずを面白いと思っている夫と息子、そして大ファンである私が、さまぁ〜ずの良さを発揮できる番組として観てきた。『さまぁ〜ずさまぁ〜ず』も同じく。
 『モヤモヤさまぁ〜ず』を最初に観ていた頃は、大江麻理子というアナウンサーがさまぁ〜ずについて歩いていた。彼女は見るからにお嬢様で品が良く、さまぁ〜ずの下ネタに対しても、持ち前の天然ボケと品の良さで実にさらりと流していた。滑り台などの遊具、滑り関係が苦手で、滑り台はさすがに私も笑っていたのものの、他のことは非常に親近感を覚えた。私も滑ることがとても苦手なので。
 彼女はとにかく品が良く、落ち着いていて、さまぁ〜ずも憧れていたと思われる。知的で、表情も穏やか。はしゃぐ感じもなく、媚びたところもなかった。見ているこちらが「おお!」と驚くようなことも突然平気でやってのけるところも、お嬢さんらしかった。彼女がニューヨークへの転勤が決まり、さまぁ〜ずが最後の収録だと、ニューヨークへ行き、お別れのシーンは、彼女と一緒にこちらも泣いた。さまぁ〜ずの二人も、実に心のこもった男子らしいやりとりをし、彼らのことがますます好きになった。
 で、その次に来たのが、かのうちゃん。
 私は彼女のこともお気に入りになった。
 彼女は、帰国子女である。大江麻理子さんも確か中国への留学経験があったらしいが、かのうちゃんは、アメリカからの「帰国子女」で、確固たる強い自己を持っている。大江麻里子さんのお嬢様らしい自然に出てくる自己だけでなく、主張する「自己」である。
 かのうちゃんの運動神経はなかなかのもので、何より力強い。足も速いのだが、その走りが力強い。足が太い所だけは親近感なのだが、彼女の足は、さまぁ〜ずに「田舎足」と呼ばれているだけあって、筋肉質でたくましい。私のボトンとしたセルライトだらけの足とは違う。ぱつぱつである。そして彼女が本気で走ると、馬車ともいい勝負をするくらいだ。しかも顔がふてくされる。なんだよ、ふてくされちゃって憎たらしい顔だなあ、とさまぁ〜ずが指摘し、視聴者である私も見慣れなかったのだが、本気になると、こういう顔になるのだと理解し、笑えるようになっていった。かのうちゃんがふてくされ顔になると、それはつまり、「本気になった」という証拠だ。
 彼女は、ピアノも得意だ。これ弾いてと言われる曲は、だいたい弾けてしまう。ピアノが得意な人だと、あのくらいは弾けるよなと思う。でも私自身、ピアノを習ってきたが、ここまではまったく及ばなかったことも思い返し、彼女はちゃんと努力してきた人なのだと感じる。
 ピアノを弾く時も、かのうちゃんは、ふてくされ顔になる。きっと本気なのだ。