夫が車の中で、録音しているラジオ番組を時々流すのだが、これがなかなか面白い。
 「赤江珠緒のたまむすび」という番組を聴いている。
 赤江珠緒さんは、テレビの『モーニングバード』で、羽鳥さんの横に座っているお姉さんである。お姉さんと言っても、私より少し年下なくらいで、若い子たちから見れば、まあ中年のおばさんなのだろう。でもキレイなので「お姉さん」と言いたい。昔から観たことがある気がするが、そんなに気にかけていなかった。彼女は兵庫県生まれで、神戸女学院という、関西の女子校ではトップレベルの学校に通っていた。月曜日から、カンニング竹山山里亮太、博多大吉、ピエール瀧、という、なかなか話が魅力的なおじさんたちとトークをする。山里亮太はまだそこまでおじさんじゃないけど。金曜日は、小林悠という北海道出身の女子アナウンサーと、浅草キッド玉袋筋太郎とで話す。一応「たまちゃん」つながりで。
 で、私は赤江珠緒さんのことが結構好きだ。
 ラジオと言えば、小島慶子さんも私と同世代で、話が面白い。彼女の番組は何度かしか聴いたことがないのだが、ズケズケと物を言うし、キレ味が良く気持ちが良い。彼女は若い頃から、テレビで「アナウンサーという立場が故の、発言できる範囲」に納得がいかなかったらしい。ラジオではそれを遠慮なく発揮し、今ではすっかりズケズケ物を言うお姉さんである。もちろん節度もある。そうやって、「自分の思っていることをハッキリ言いたい。」という彼女の気持ちも理解できるし、そういう自己主張のある人は、個人的に好きだ。身近にいたら友達になりたい。そういうことを公に発言できる女性がいるのは素晴らしい。
 ただ、女子アナの立場にさほど不自由を感じず、かと言ってキャッキャと浮かれている感じでもなく、自分の役割だと思って粛々と仕事をこなす赤江珠緒も良い。彼女は、ラジオをやっている時も、とがったことは言わないし、レギュラー陣と楽しくトークをしているだけに聞こえるのだが、自分の意見を言っていないわけではなく、考えは話し言葉のあちこちから聴き取れる。何よりそうやって無難にこなしているつもりが、時々、相当な天然ボケをやらかしてくれる。それも結構な頻度である。「えっ。それで良いの?」とか「なにそれ?」とか、こちらが戸惑って笑ってしまう返答をする。日常生活もちょっと「無難」とは言えない。結婚はしているが、彼女らしさ満載の日常が、トークから垣間見える。それが可愛らしく、彼女の魅力をひきたてている。こんなに普通に話していて個性や魅力を感じる女性がいるんだな。夫もファンである。彼女なら私も文句は言わない。結構美人さんだし。最近では彼女、『モーニングバード』の中でも、ちょいちょい個性的な天然ボケが発揮されるようになってきた。年齢のせいか。隠しきれなくなってきたか。
 そういえば、この前映画『アナと雪の女王』の説明をしていた時「ありの〜ままの〜」という、テレビでも何度も聴かれる非常に有名な曲を「あるが〜ままの〜」と大きな声で歌ってくれた。「あるが??」「ありが??」「どうしたの?」などと、ピエール瀧に笑われ、それを聴きながら私たち家族三人は、車の中で爆笑した。一番大事な部分、間違っちゃいけない歌詞ではないか。よくそんな堂々と間違えたなあ。