札幌での暮らし

雪に関して、もう少し。 歩く時の靴は、当然、底が平らな物を履かない。デコボコのある靴。すり足で歩く。帽子はきちんとかぶる。そうでないと頭がグシャグシャに濡れてしまう。傘などさしていても意味をなさないほど吹雪くので、帽子が一番適している。でも…

札幌は、人口200万人近い都会だというのに、雪が多い。都市として珍しい。札幌は雪なくしては語れない。なので、まだしばらく雪の話を続けます。 最初は、雪道がガタガタだということに驚いた。 車が通り、雪が多少削れた所を皆がさらに通って、タイヤの跡が…

雪虫を見たと言っては、札幌の人たちの心がざわざわし始めると、十日後くらいに、初雪が降る。それが十月。 十一月になると、雪の日が少しずつ増えてくる。最初のうちは雨が多くて、それはそれでうっとうしい。 雨は冷たいし、度々降られては天気が悪いこと…

そして、秋がやってくる。 と言いたいのだが、正直言って、夏と秋の境目がよくわからんのです。夏らしい夏がほとんどないのだから、秋っていつからいつまでなんだか、私には今もわからない。 扇風機がどうしても必要、二十五度を超える夏日が全部で十日くら…

札幌の八月と言えば、アジサイとコスモスが同時に咲いている季節。 「八月なのに、コスモス咲いてるよ。アジサイもあるじゃない。変だよ。」などと必死に夫に訴えるが、「そうお?コスモスっていつ咲くの?」とか言われる。 コスモスは、秋の桜と書くんだか…

さて、気持ちの良い春が過ぎ、やっと七月終わりの蝦夷梅雨が終わると、いよいよ夏だ!そうだよ!八月だもん、さすがに夏は来るよ! ……と言いたいところだが、「私にとっての夏」は、最初の年にはやってこなかった。 だって全然暑くならないのだ。 日本の夏は…

最初の頃に住んでいた私たちのアパートは残念ながら、梅雨のない気持ちの良い日々をあまり実感できなかった。 私たちが住んでいたのは、アパートの一階であり、方角も悪かったし、今思えば「欠陥住宅」と言えるのかもしれない。住宅、なのかな。マンションの…

待望の春のはずなのだが、この突然の生温かさに、私の自律神経が安定しなくて、大体3〜5月の頃に、自律神経失調の症状が出てくる。急に温かくなるので、身体も自律神経もついていかないのだ。気持ち悪くて、メニエールの症状にも悩まされるのだが、まあ今と…

しかし、札幌での四季の気候。慣れちゃうんですね〜。段々と五月になって花が一斉に咲くことが、楽しみになっていった。 結局六年住んで、「慣れた」のだ。私は慣らされちゃったのだ。人間、長く住むと適応するしかないのだろうか。でも、慣れたおかげで、札…

その土地に住む上で、必ず欠かせないのが四季の変化である。 ニュージャージーの四季は、特に子供の頃好きだった。春は暖かく夏はカッと暑い。湿度はさほど高くない。秋は木々がオレンジ色に染まり、冬には雪が降り積もる。 宝塚の春は2月にそれを告げる。梅…

そして、1998年3月、私たちは札幌にやってきて住み始めたのだ。 夫は、ニュージャージーで暮らした3年間以外は、北海道を離れて暮らしたことがなかったので、札幌が故郷であり、自分のテリトリーだ。 札幌で暮らすことが決まる前から、夫は札幌の良い点をよ…

中学、高校で、段々と周りの環境に慣れて、友達に恵まれたものの、私は日々演じ続けていた。実は、恥ずかしながら、いまだにその頃の気持ちをすっかりとは消化できていない。乗り越えられていないのだ。 無条件に、どんな自分でも受け入れてくれる親友がいる…

さて、札幌での暮らしを書くにあたって、思ったより長々と私の生い立ちについて書くことになってしまいますが、根気よくつきあってください。 大学生になって、素晴らしい先生と出会えた。 この体験も、私にとって一生を変えるほどの大きな出来事となった。 …

初めて北海道に行ったのは、1997年。夫と結婚を決めて、夫の両親に挨拶に行く時のことだった。 二月の中旬だっただろうか、北海道の冬真っ盛りの時期だった。 わあ、すごいなあ。 まさか、その土地に近々住むことになるとは考えもしなかったので、ただ雪の量…

ここでは、以前6年間だけだが、暮らした札幌について、書いていきたい。6年暮らすと、まだ未知な部分は多いにしても、多少はそこでの暮らしについて紹介できるので、書きたいと常々思っていた。一番長い暮らしが兵庫県宝塚市である私にとって、比較的詳しく…