雪に関して、もう少し。
 歩く時の靴は、当然、底が平らな物を履かない。デコボコのある靴。すり足で歩く。帽子はきちんとかぶる。そうでないと頭がグシャグシャに濡れてしまう。傘などさしていても意味をなさないほど吹雪くので、帽子が一番適している。でも基本的に軽装。何故なら建物の中が温かいからだ。そして、雪かきなどに負われたり、歩いたりしていると、意外と温かく感じるからだ。歩かなくても車を利用していたらそれはそれで寒さをしのげるし。
 各住居も窓は二重にしてあり、断熱材が入っている。これは何十年も前だとそうはいかず、窓の付近は寒かったようだが、数十年前から二重窓が当たり前になった。寒い地方で一重の窓で住んでいた頃、そのありがたさがわかった。北海道の、なんて暖房設備の整っていることよ!
 幼い子供がいる買い物は、子供をソリに乗せて親が引っ張ってスーパーまで行く人が多い。歩道がきちんとあるからだ。歩道も歩道用の除雪をしてくれている所が多々ある。親子はそこを通って買い物に行く。そして荷物と子供をソリに乗せてウチに戻る。最初は「……!」とびっくり絶句したが、すぐに見慣れた光景になった。
 そして、あまりにひどい吹雪の日は、どうしよう、買い物が、なんて迷ったり困ったりする余地なく、外に出ない!特別な用事や仕事などない限り、外に出ない!それだけだ。
 ちょっと辛いなと思い続けたのが、ゴミ出しだった。体は全然温まってないし、気温も低いし、猛吹雪であっても出さなくちゃいけないことがあったからね。
 そうそう、だけど、一番気温の低い時間帯が朝だという固定観念はありませんか?
 札幌は真昼にその日の最低気温がやってくることがあるんです。
 まあそんな札幌の冬が終わると、やっと春です。
 雪が溶け始めて、一番運転しにくい時だと夫は言う。私は札幌では怖くて、ほとんど運転しなかった。冬はどんなにゆっくり走っていても滑る時は滑るし、滑った時の対応がわからない。わだちにはまると、きっと抜け出せない。雪のない時は皆、この時とばかりにスピードを出すので怖い。結局年中、ほとんど運転できないでいた。
 雪が本格的にの溶ける季節になると、昼間溶けた雪の量が結構なものなので、車の重みでどんどんタイヤ部分が深く深くこすれていく。じゃぶじゃぶ相当ひどい凸凹道を止まらずに何とか走っていなければならない。止まるとあっという間にわだちから抜け出せなくなるからだ。その季節はそんな道「だらけ」なのだ。
 除雪されて道の両側に積んだ雪の山が低くなってくると同時に、排気ガスで黒くなり、雪に埋もれていたゴミなども出てきて、なんかきったないわ〜っていう光景が三月中旬にもなるとあちらこちらで見受けられる。
 でもそんな三月でも、吹雪いて、また雪が積もり直すこともある。
 そんな感じで、冬がやっと終わりに近づいてきたことを知るのだ。長い長い冬です。
 それだけ格別に春が嬉しい。
 だから車のスピードもすごいのかなあ。