音楽のカテゴリーで、自分のことばかり書いているが、ヴォーカルレッスンをすることで、様々な自分への発見があり、やっぱり歌うことを習っているために、自分の持つ身体そのものが楽器なんだという実感があり、書きたいこともどんどん出てくる。
 今回は、「自分の歌声を録音!」ということに挑戦してみた。
 1月から習い始めこれを書いている頃は同じ年の5月。(アラ。もう一年以上も前。)
 と言っても、月に一回しか習いに行っていないため、まだレッスンは4回。経済的にとか言ってみることもあるが、私の「自分の時間を大切にしたい」「一つのことに振り回されたくない」という性分もあって、このくらいが丁度良いと思っている。丁度良いけれど、やっぱり上達も遅いのだ。そもそもこの中年真っ盛りの頃に習い始めるって、子供の頃や学生の頃と違って、とにかく身につくのが遅い気がする。感覚やコツが、頭で理解しながらだし、理解しても体はついてこないというのが現実なのだ。
 それでも、車の中で腹式呼吸の練習をしたり、家でも時々発声練習をしてみたり、カラオケで大きな声を出すようにしたりして、少しずつ体に響く音というのが何となくでもわかってきた。又、ふとした拍子に、すごく声が大きくなっていることに気が付いて、声量も少しは出てきたのだと嬉しく思う。
 英語の歌詞を追えるようになったものは、できるだけカラオケで試してみるようにもしている。だいたいうまくは歌えていなくてガッカリするのだが、それでも楽しいし、うまく歌えるようになった曲もあって、どういう部分を今後直していけば良いのか気になるようになった。それは自分の声を客観的に聴くのが良いだろうと思い、カラオケで歌っている曲を録音してみることにした。
 中学生や高校生の頃に、マドンナやホイットニー・ヒューストンシンディー・ローパーやその他の洋楽を歌えるようになって録音した時に、自分の声がこんなにもひょろひょろ揺れて、か細くて下手なのかと愕然とし、耳をふさぎたくなった気持ちをよく覚えているので、少し勇気が必要だったけど、今後もう少し上手になっていくためには、その覚悟もして聞かなくてはいけないと思った。
 最初の方はやはり声が出にくいため、30分くらいしてやっと声が出るようになった頃から録音を始めた。
 そして何が問題か、どこが上手になれるかを自分で検討しようと聴き始めたら……。
 ……ひどかった。
 自分で上手に歌えていると思っていた曲は、まあ聴けるけど。という程度。自分で思っていたより声は出ていないし、細い声だし、抑揚がない。うまく歌えていない曲は、どこが問題とかいう以前に、下手過ぎた。テレビを観ていてよく「うわっ。ひどいね」なんて見る側として平気で毒づいているが、その「うわっ。ひどいね」が、そこにあった。まだまだこんな程度なのか。
 ガックリとうなだれ、月に1回、たった4回しかレッスンを受けてないからそりゃあまだまだだよね、と自分を慰めた。