「ピクミン3」を一度クリアしただけでは飽き足らず、私は自分のアカウントをもう一つ作って、さらにもっと効率良く時間や日数を短縮してクリアした。その爽快さにハマってしまい、「ピクミン3」では遊ばない夫のアカウントを使ってまでその記録を作っていった。三回ラスボス(一番最後の強敵なボス)までクリアすると、さすがに三回目は結構な記録が出る。そうすると、何故夫のアカウントで自分のベストの記録が残っているのかと、なんだか理不尽な気持ちになってしまい、自分が「メインだ」と思っているアカウントで、もっと良い記録を残そうと躍起になった。ピクミンを一匹も失わずに、しかも果物をものすごく効率良く集めていく。こうするともう本格的にピクミンに情が移り、うっかり一匹でも失ってしまうと「ああ〜……」と悲しい気持ちになり、そこを一からやり直すようになってしまった。そうやって、私は自分にとってこれ以上ない記録を作っていった。でも、ラスボスはあまりに難しく、ピクミンを大量に失うのは避けられない。そこまでの根気はない。ラスボス戦は嫌いだ。ピクミンをたくさん失って悲しいし、とにかく疲れる。
 メインのゲームとは別のミニゲームでも楽しんだ。ミニゲームも、いかに時間短縮できるかを記録にこだわって、要領良く成功すると実に気持ちが良いのであった。これも二つのアカウントと夫のアカウントとで遊び、その三つの記録を比べて、要領悪く点数も低かったら、何度もやり直した。三つの記録ができるだけ同じくらいになるように、頑張ってしまった。このゲームでもメインのでも、ふとした時に「そう言えば、あのようにすればもっと効率良く進められるのではないだろうか」と思いつき、実行してみることが多かった。それは遊んでいる最中でもあったことだが、だいたいが遊んでいない時に思いつくので、時々メモった。いったい私は何をやっているのか。と我に返ることもあったが、「いかに効率良く要領よく進めるか」というテーマを考えるのは面白くて仕方なかった。こうやって私は息子の記録を追い抜かし、夫が言うには「なめまわすように」遊びつくした。
 困ったようなありがたいようなことは、wiiで遊ぶ時は、めまいがしたり頭痛がしたりしない。そういう面での疲れがないので、かなり楽しめるのである。もちろん限度はあって、一定の時間以上遊ぶと、「後で」頭が痛くなるので、自分で制限を設けているし、ハマったとは言え、廃人になるほど日常をおろそかにはできないので、ついけじめはついてしまう。ゲームをしない人からしたら、充分遊んでいるのだろうが。でも時々うっかりスマートフォンやパソコンのゲームに夢中になりそうになると、大体目が疲れてくるか頭痛に悩まされることがわかっているので、wiiで遊ぶのはかなり楽なのである。
 「ピクミン3」以外でも、wii fitwii sports resortwii partyマリオカートなどでもある程度遊んだ。「ある程度」と言っても、やっぱりやり尽くさないともったいないので、結構な高得点を出したし、マリオカートでは、すべてのレースでスターが三つになるまで頑張った。これも頑張り甲斐があり、要領も問われるものであった。マリオカート8もとりあえず納得できる記録が全部のレースで出るまで遊んだ。そうやって、きちんと(?)遊びつくすのが主義なのだが、気持ちまでもハマったのは「ピクミン3」が初めてであった。