思春期に、ホルモンの激変により、自律神経がうまく調整できなくて、微熱が続く「起立性 障害」だという子供は割といるらしい。息子もその症状かと心配になったこともあったが、どうやらそうでもないようだ。夫の体質、「疲れがたまってくると微熱が下がらない」ということが似てしまったようである。
 息子の特性として、「最初できるだけ頑張る」というところがある。夫が「僕と似ている」というもので、特性とか気質とかしか言いようがない。最初に愚痴を言いながら、少しずつ慣れていって段々と受け入れる、というのが一般的なのだろうと私は思っていたが、そうではないらしい。夫も息子も、最初に意気込んで、とにかく文句も言わずに頑張ってしまう。愚痴を言わずに。そしてその疲れが蓄積されてもういっぱいになったところで、ドッと表にあらわれる。そして今まで頑張り過ぎた分、反動となって長引いてしまうのだ。
 夫も息子も元来が「頑張り屋さん」なのである。最初に無理しちゃうのだ。
 子供の反抗でよく言われることである。幼い頃に抑えつけられた子は、思春期の反抗が激しいということ。私は思春期の反抗を自分で抑えた分、ずいぶん大人になってから7年位もその気持ちと闘うことになってしまった。
 息子はとりあえず、なんでも「最初に文句も言わずに頑張ってしまう」。小学生の頃の宿題もそう。いやだなとか1〜2年生の頃に聞いたこともない。張り切って宿題もやっていたのが3年生に「いやだ!」と大爆発。中学生になりたての頃も、休まずに気を張った感じで頑張っていた。1年生の後半でそれが息切れするが、それでも挽回。そして3年生になってから「学校面倒くさい」「いやだな〜」と毎日言って学校に行くように。体調も頻繁に崩す。学校での様子を聞くと、割と平穏にこなしている。友達ともそこそこ楽しく過ごしている。少なくとも私が中学三年生の頃よりは楽しく過ごせているようだ。成績は至って普通。特にいやだという理由もないらしい。ただ疲れをためると、肌に表れ、微熱が続いて休まなければいけなくなる。もうこれは彼の気質、特性、体質なのだ。親がどうにかできることではなく、成長を見守る以外にない。心配だから口出しすることもある。
 つまり私が言いたいのは、しつけにはそれぞれの子供の「しつけ時」があるということだ。その時期は、幼少期の方が後々ラクであることには間違いない。先生の言っていた「3年生が最後!」という子もいるかもしれない。だけど、「息子は違った」のだ。それを周りが外側だけ見て評価することを、心の底から悲しく思う。
 子供が外で泣き叫んでいる時。
 それは、家庭のしつけの問題かもしれない。親の対応がマズイのかもしれない。その子の気持ちの問題かもしれない。だけど、そうじゃない場合もある。その子の気質や特性。親がヒステリックに言い返したり、おかしななだめ方をしたり、放置したりしているのでなければ、それ以外の親は、ほぼ「困っている」。不安で苦しんでいる。周りからは刺すような視線を向けられ、親も心の中で泣いている。一概に「こうだろう!」「うるさいから泣き止ませろ」と言えないことを、やりやすい子供を持った親たちは理解してほしいと心から思う。そういった親子たちがいることが世の中でもっと認知されますように!