時々、色々な所で、世の中の子供に対して批判的な文面を見る。だいたいが「しつけられていない子」とか「うるさい」とかで、そういった人に子供がいるとかいないとかは関係ないということを感じ、息が詰まるような気持ちになることがある。
 私だって、うるさいと感じることは多々ある。静かに過ごしていたい時に、泣き叫ばれたりしていたら「どうしたんだろう」と思う。問題はその時の親の対応の仕方で「うるさい」と感じるかどうかなのだ。田舎町だからなのか、都会の子育て事情はあまり知らないのだが、やっぱりキツイこと言ってつっぱねる親が多数派で、それに対しておとなしくなる子供と、ますます泣き方や叫び方が激しくなる子供がいる。そうすると「うるさいなあ」と思うことはある。でもそれはむしろ親に対してである。つっぱねちゃう時の親のキーキーした声がうるさい。そしてそれに呼応するかのように子供が泣き叫ぶのだ。最初の段階で子供が泣き叫ぶことは仕方がない。でもそれに対して親がキーキー言うと、それで泣き止めない子は、その声に負けないくらいの声で泣き叫ぶ。だからうるさくなっていく。
 ただ、子供が泣いていることを泣き止ませられない親を、しつけができていないとか、家庭でどんな対応しているんだとか、厳しくしつけないからだとか、そういう見方は、心底やめてほしいと思うのだ。親だって追い詰められている。私は本当にそういう風潮を心から残念に思う。
 だって、見ていたらわかるでしょう。だいたいその時その瞬間のやり取りで、子供がいつもわがままなのか、それを甘やかしている親なのか、つっぱねてばかりいるからそうなるのか、初めての駄々こねなのか、それに戸惑う親なのか、そして癇癪が激しくて扱いにくい子供に困り果てている親なのか、親も必死なのか。見聞きしていたらわからないですかね。泣き叫んでいるという事実だけで、ただ親のしつけ、家庭の雰囲気、今までの対応の仕方、と一色汰にしないでほしいのだ。本当に悲しい。
 このエッセーを始めてからの間、私の息子の話はここで何度も書いてきているが、改めて書く。
 一般的に、0歳8か月頃から出ると言われている夜泣きというものを、息子は3か月で始めた。そして数か月で終わると言われた夜泣きを、息子は激しいものを1歳半、トントンすればおさまる程度のものは2歳半頃まで続けた。その間、私はぐっすり眠れた記憶がない。夫が変わってくれることはあったが、夫も仕事が忙しかったので、しょっちゅうではなかったし、何より夫が夜中に寝付かせようとしても、何故か泣き止んでもくれない、寝てくれないのであった。すべてがそうなわけではなく、お風呂なんかは夫じゃないといやなようだった。私が一緒にお風呂に入る、入れてやると、もう最初からずっと泣いているのだ。しかも号泣だ。夫が出張の時なんかは地獄のお風呂であった。湯船につかりながら号泣している息子を抱っこしながら、私も泣いた。夫と息子のお風呂は穏やかで話し声や笑い声に満ちていることを何度も見ていたし、同じようにしているのに。息子はものすごくこだわりの強い子だったのだ。