さて。Hspのことについて、自分は当てはまらないということを幾つか書いたが、もう一つだけある。
 静かな音楽を好む。ということが違う。クラシックが嫌いなわけではない。聴き始めたらいいなあと思うこともあるし、ショパンピアノ曲なんか弾きたいこともある。上手に弾ける人の演奏を聴くのも好きだ。だけど、私はロックも大好きというか、ロックが一番好きだと思う。クラシックを聴いて寝てしまうことはあるが、ロックを聴いて寝ることはない。当たり前か。だけどうるさい曲だとも思わない。メタルとかパンク、ブルースも結構受け入れられる方である。だってドラムの音がすごく好きなんだから、うるさいなんて思えないのだ。
 さあ、ここからもう既にチェック項目に当てはまる部分に入っていきます。そう、ここのエッセイでも書いてきたこと。そしてその時は知らなかったこと。花火の音! を代表とした雷の音や風の音、にhspは過剰に反応するらしい。怖いのだと書いてある。なんだよ、私が以前書いたことだよ! こういう人が一定数いることがわかってちょっとホッとしている。ちょっと離れていても光ってから音が鳴るまでのドキドキ感たるやなかった。大人になってだいぶ落ち着いて聞けるようになった。以前も書いたが、幼い頃は雷の音も怖くて、雷が鳴り始めると、ずっと母の太ももにしがみついていた。もうなんていうか心の奥底から「恐ろしい」のだ。風の音も怖かった。これは実は最近もまだちょっと怖い。電線が鳴る音、大丈夫大丈夫と言い聞かせるようにして暮らしている。なんだよ不自由していたのか私は。
 音に過剰に反応すると言っても、あらゆる雑音が耳に入ってくるわけではない。余計な情報まで頭に入って、頭の中で選別できないとかでもない。普段鳴らないような大きな音が怖いのだ。怖いというのも、圧倒される感じだ。ああ、鳴るぞ鳴るぞ!とドキドキ怖い。そしてそういったことを怖がりとか大げさとか気が小さいとか否定されるので、隠したり強がったり慣れなくてはと、相当頑張って暮らさなければいけない。まあおかげで子供の時より随分平気になったと思う。ただ、こうやって文章を書いている時に、カフェだと集中できると書いているけど、これも前に書いたように、田舎のカフェだからかもしれない。店でかかる曲とかアナウンスとかお店の人の声は何ともないけど、客同士の会話がどうしてもうるさく感じて、耳栓をしていることがある。面倒くさい人間なのである。耳栓をあからさまにすると周りの人に申し訳ないからと髪でそっと隠したりしている。そういうところがまたhspの特徴のようだ。
 そして音のチェック項目でまた思い当たるのが、これも以前書いたことがあるヴァイオリンの音である。音楽や楽器の音に涙すると書いてあって、おお! とまた驚いた。音楽のカテゴリーに書いたことがあるが、私は物心ついた頃、母のヴァイオリンの音色の切なさにしょっちゅう泣いていた。これが物心つかない頃からそうだったらしく、この子にヴァイオリンを教えることはやめようと思われたらしい。でも正解である。私は涙を流しながら演奏をしたくない。まあそこは単純にピアノの音が好きだったので良かったけど。