とうとう息子が「ララランド」を観た。いや、さすがに「ララランド」に関してのことはもう書かないけれど、息子が観たことで書きたいことができた。
 やっぱり男女間の感情が中心だから、息子にとっては退屈だったかもしれない。「はじまりのうた」の時と同じだ。しかし息子の度重なる欠伸が気になって、ああ退屈なんだなと申し訳なく思ってしまった。
 中二の息子。まだまだそういうことに鈍くたって良い。というか、私はそういう男の子の方が好みである。女の子に関心があったとしても、男同士の方が楽しくて、女の子の扱いはまだ上手じゃないよっていう。年齢的にも大学生くらいから段々と気持ちの経験を重ねて、どのように接するか自分で学習していってほしいと思う。映画も参考にしてね。幼い頃から女の子のことを意識している男の子って私は昔からあまり好きではない。単に好みの問題だけど。女の子には優しくしているけれど、だからってそういうことに意識を持っていかれてほしくなかった。男の子は無邪気なところが可愛いのだ。とか考えていると、やっぱり小6の時に仲が良かった男の子にチョコレートをあげなかったのは、私がどこかでそういう子であってほしいと望んでいたからなのかもしれない。
 話がだいぶそれました。
 息子が「ララランド」についてどういう感想を抱いたかを聞いてみたら「夢に挫折してしまうシーンをもっと入れてほしかった」と言っている。なるほどねえ! 夢に挫折して落ち込んでいる様子とか苦しんでいる様子、葛藤している様子が細かに描かれている方が感情移入しやすいのだということらしい。若いから当然だろう。
 と思った時、私はいつの間にこんな映画が好きになったんだろうと振り返らずにはいられなかった。昔はハラハラドキドキの映画にも、惹かれたものだった。スリルがあって終わった時の爽快感が楽しくて、映画の面白さはそこにあると思っていた。幼い頃観た『スター・ウオーズ』や『スーパーマン』。中学生の頃、初めて『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観終わった時にも、心がものすごくざわめいた。なにこれ続きがあるのもっと観たい! あのドキドキハラハラ感たるや。その後もミステリーやアクション物は面白かった。はずなのに、いつの間に。恋愛ものも昔は限られたものしか好きではなかったはず。確かにただ甘いだけの恋愛ものかもしれないけれど。
 いつからだろう。『ミッションインポッシブル』を観た時に「すごく面白かったけど、面白いと同じくらい疲れた。疲れるのはもう良い」と思ったのは覚えている。あの辺りからだろうか。もう20年以上も前である。ハラハラドキドキが段々苦手になっていってしまった。とにかくしんどいのだ。じゃあ『オデッセイ』はどうなのかと言われそうだけど、結局ハラハラドキドキのシーンより、皆が一人の人間の命を何とかしたいために動く感じ、頭を働かし考えるシーン、知性を感じられる部分が多くて好きだったのだ。
 『ニューシネマパラダイス』とか『マイガール』とかで私は映画の良さにますますハマったと思う。『はじまりのうた』や『最強のふたり』もそう。それでいくと、やっぱり『ララランド』も楽しくて、人の心に関して描かれているものが大好きだ。