家にある電化製品程度の機械関係にはそれほどは弱くないと思っていた。昔。
 中学生や高校生の頃、ウォークマンが全盛期で、お年玉で、気に入ったデザインを買っていた。黒っぽいのよりメタルな感じが好きで、銀色がギラギラしたものが好きだった。カセットデッキもこだわりがあったけど、まあそういった物は、外側のデザイン的なものなので、機械とは関係ないか。カセットデッキも色々こだわりがあって、お年玉で買っていたっけ。とにかく音楽が聴ける環境は常に身の回りに整えていたと思う。
 当時はビデオデッキも一般家庭に浸透し、その扱い方もすぐに慣れたし、機種を変えても大丈夫だった。
 今思えば、何もかも機能が少なく、単純なつくりだったのだ。
 最近のブルーレイだの、テレビ番組の録画機能ときたらどうだろう。
 パソコンに至っては、さっぱりである。最低限の、自分が日常で使う機能以外は、泣きそうなほど訳がわからない。以前、ウィルスのメールを開けてしまった時に色々と再設定する時なんか、電話口でお兄さんの話をすがるように聞いた。汗だくだったし、お兄さんが、おばさんに優しく説明するのを申し訳なく思ったものだった。
 テレビの録画にしても、ホームビデオにしても、そういったものをCDに焼きつけるのなんて、以前はもっと簡単だったのに、今は夫に何度聞いても忘れて迷惑にすらなっている。音楽をCDからインポートするのも、そのインポートした曲を自分のヘッドホン型i-podに入れようもしても思ったようにならず、変なままで、でも夫に「どうやるの」と聞いてばかりいるのもイヤになってそのままなのである。
 この前は、スマートフォンで曲を聴きたくて、やっぱり夫の助けを借りた。音楽を結構しょっちゅう聴いていたい私にとって、スマートフォンのそれは素晴らしい機能だ。ヘッドホン型i-podは、ウォーキングの時に外れにくく邪魔にならないので、とても重宝しているのだが、新幹線など長距離の旅行や旅先で好きな曲を聴きたくなった時に、スマートフォンにダウンロードした音楽を聴けるというのは、本当に素晴らしい!!
 こんな機能を考えたのは誰だ。そして私は結局どうやってダウンロードするのかわからないままになってしまった。毎度、ダンナに迷惑をかけるのがとてもいやだ。ダンナは仕事でコンピューターを扱っているから、こんなことウンザリなはずで、できれば少し聞いてやり方を覚えるなり自分で調べてやりたいのだが、乗りかかった船で、ダンナはやり遂げてくれる。しかもこういうのって、失敗はつきもので、コンピューター関係のものはすんなりいかないものだから、大抵ダンナはイライラする。何も悪いことをしていないはずなのに、いい加減なところを叱られた子供みたいに、居心地の悪さを感じ続ける。うまくいくまで。
 だから自分でできるようになりたい。
 でも今の機械関係は本当に難しい。もう少し単純化できないものか。
 とりあえず、これを新幹線の中で書きながら好きな音楽を聴けていることには幸せを感じる。