自分の困った点は色々あるが、中でも物を忘れる、落とす、といったことで次々と失くすことが嘆かわしい。
 幼少期から、その傾向はあり、でもその辺りに関しては、それほど両親に責められなかった。父も大事な物をよく忘れていたし、母は大事なものではなくても日常的に小さな物をよく忘れていた。残念ながら私は、父の大事な物を忘れるところも母のちょっとした物を多く忘れるのも両方引き継いでしまったようだ。なんでもかんでも忘れてくるし、忘れた場所が外だと、つまりなくしてしまうことも多い。お店に問い合わせて取っておいてもらうなんて、度々だし、同じ店で何度も問い合わせることも恥ずかしくなってくる。
 最近、傘に関しては、意識的になったようで大丈夫だが、帽子はいつまで経っても何度も忘れる。店舗のトイレに忘れたり、食事するテーブルの下に置き忘れたり、なんなら座っていた椅子に忘れたりする。或いは落とす。落としても気づかないからどこで落としたかわからずなくす。もう幾つ買っただろうか。自分でいやになる。
 とは言っても、笑いに変えて小ネタとして投稿したり、人と話す時のネタとして笑い飛ばしてきた。息子ができたら、そういうところが私に似てしまい、息子が大変そうである。幼い時は、夫が叱るのを見て、いたたまれなくなり、度々かばってきた。だって直るものなら直っていくものだから。でも直らないのは、もう特性としか言いようがない。もう失くした物を後悔しても仕方ないし、注意していたって無意識の行動の合間にあちらへやったりこちらに置いたりして失くしてしまう。
 私は笑い飛ばしてきた。そうじゃないと、やってられないくらい多いから。多くても注意していてもスキをついてなくすから。
 それが最近、どうにも笑い飛ばせなくなってきた。これを更年期のせいとしたい。それくらい物を失くすとズンと落ち込む。落ち込んでも出てこないし、やっぱり同じような間違いはしでかしている。なのにいちいちズンと落ち込む。これがものすごく辛い。辛いと思ってそれを背負うと、もっと精神的にダメージがくる。自分を責め、自分に自信がなくなる。こんな自分がダメだと思ってしまい、自分を否定する作業が始まってしまう。元々恐縮はしやすいタイプなので、そういうことで縮こまってしまう。あまり良くない気がする。こういうことに対して自分を責めると、こんなにも辛いものなのかと知った。辛い気持ちを味わいたくなくて気を付けるが、やっぱり失くす。悲しくなる。なので、これはやっぱり更年期のせいではないかと思う。そう思うように心掛けている。この時期が過ぎたら、また笑い飛ばせる日がやってこないかと期待している。
 そうじゃないと、こんなに物を落とし、失くすのに、毎度毎度自分を責めるのは辛すぎるからだ。そう、そのくらい頻度が高いということである。
 さて。そろそろまた帽子を買いに行かなくては。