『ララランド』を観ました。
 最初は飛行機の中で観たのだが、時々客室乗務員が声をかけてきたり、飲み物や食べ物を手にしたり、口にしたりの間で、細切れになってしまった。映画が細切れだと入り込みにくくて心が動かされづらいことは、大学生の時に経験している。授業で名作『風と共に去りぬ』を観たのだが、確か4回くらいに分けて観たため、イマイチ「おお!!」という感動が来なくて、ふーんと思ってしまった。度々現実に戻されてしまうのだからそりゃそうだろう。他に『コミットメント』という映画に至っては、先生が途中で諦めてしまった。途中から先を観ずに先は気にならないのかと思われるかもしれないが、細切れだったために何の未練もなかった。まあちょっとは気になっているけど、もうあれから25年位経ってしまった。そして今回もやっぱり気持ちが入りにくい。その上、イヤホンの調子が悪くて、片方しか聞こえない。よく聞こえない。字幕じゃないから、英語ではなく日本語で最初は聞くことにしたのだが、時々声や音がブチブチ切れる。夫の目の前のパネルは動かないし、時々私や息子も夫のパネルに手を伸ばして、動かないか試してみたりするが動かない。かろうじて時々動いて、映画を観るのをあきらめた夫は、何とかゲームの画面にたどりついてゲームをしようとしたが、遊んでみたいゲームの最初の画面になったままもう何も動かなくなってしまった。夫はゲームの同じ画面を観たまま笑うしかないようだった。もう私も全然入り込めない。
 でも何となく話の内容はわかり、観終えると「あれ?」てな感じ。
 ツイッターでおじさんたちが、絶賛していたではないか。ちょっと涙ぐんで終わるのかと思いきや号泣だったというおじさん続出。おじさんと言っても、ツイッターをフォローしている人たちで、なかなか立派な仕事をしていたり、映画評論するので有名な人だったりします。ラジオでも色々な映画の評論する人が絶賛していて、それを聞いていると私も観たくなったのに。「あれ?これで終わり?」……。
 「え? どこで号泣??」
 少し呆気に取られた。結構、感情移入し、すぐに泣いちゃう私が、なんでもない。おかしいなあ。きっと細切れに観て、音もぶつ切りになったところがたくさんあったからだ。夫のパネルが動かないからだ。
 色々理由をつけてみたが、どうもおかしいぞ。
 直後、夫に「あれ?? おかしいなあ。そんなに号泣するほどに心を動かされた部分がなかった。なんで?」と慌ててそんなようなことを言ったと思う。すると夫は「女の人にはそういう感想の人が多いらしいよ。あれはおじさんの映画なんだって。」とか言っている。本当かなあ?
 釈然としない私は、帰りの飛行機でも改めて観ることにした。やっぱり今回も日本語である。今度こそハッキリと聞き取ろう。そしてなるべく周りに邪魔されないタイミングで観よう。