自分の音楽の好みをひたすら書いているだけですが、ここまで自分の文を読み振り返ってみると、何となく自分の好みの傾向というのもわかってくる。ピアノの音が好きなので、ロックでもピアノの音が入っていると割と簡単にその曲が好きになる。ボーカルは音を外されると落ち着かないし、一本調子も飽きるので、ボーカルに求める理想も高くなる。
 ロックが好きだと言っているけど、意外とポップな感じも好きで、でも重ための音を聴くとワクワクしてきて、歌詞も本当に感心できるものからどうでも良いものまで、しかし最近では恋愛モノは気恥ずかしい気持ちの方が強くてあまり思い入れられない。
 そんな私が「何故この曲が好きなのか」と、自分でも分析しきれない、分析なんかしたことのない、本当はする気もないお気に入りの曲がある。
 「サザエさん」のエンディングでかかる曲なのだ。
 ギターの音から入り「大きな空を〜眺めたら〜しーろい雲が〜とんできた」ってやつ。
 「サザエさん」を毎週観ているわけではない。むしろ観ない。年に一回観ているのか?ってくらい。子供の頃は好きでまあまあ観ていたけど、「絶対観るぞ!!」って意気込んでいたこともない。日曜の夜、「明日から学校か〜」とブルーになる(出勤の場合でも)ために「サザエさん症候群」とかも言われていたが、私はもう少し遅くの、大河ドラマの曲のオープニングの方がブルーになっていた。よく覚えているのが「獅子の時代」と言って、確か西田敏行が秀吉を演じていたっけ。あのオープニング曲が流れ、黄金色の稲が風になびく様子を見ると「ああ……明日からまた学校か」と沈んだ気持ちになるのだった。
 話がそれちゃいました。
 とにかく「サザエさん」の曲を聴いていてブルーになったことはありません。そして皆の「サザエさん」はどちらかと言えば、オープニングソングの方でしょう。「お魚くわえたどら猫」ってやつですね。なのに私はエンディングソング。年に一回も観るか観ないか、ってのが、もう30年以上続いているのに、あまりに忠実に楽器の音まで口ずさむので、これはきっと私がこの曲を好きに違いないと納得することにした。そして、分析はできないけど、どの部分が好きかを考えてみた。
 最初のギターの音やパーカッションの音から忠実に歌い、歌詞の出だしの「大きな空を〜」のところ。最初から「大きな」って口を大きく開けないと歌えない感じ。「ハイキング〜」の伸ばす部分の後のメロディ。もちろんここも口ずさみます。「ほ〜らほーら〜みんなの〜」のところもなんだか好きです。そして最後「愉快だなあ〜」の伸ばす辺りから最後の演奏の音のところまで。ほとんど全部だ。先ほど、最初のギターの音から口ずさむと書いたけど、最後の最後、「カン!」みたいな音まで、楽器の音も全部歌い切ります。
 どういう時に歌うのかと言えば、主にご飯を作っている時で、機嫌の良い時です。気が付いたら歌ってしまっています。もうほとんど癖である。
 なんでしょう?どうですか?マキタスポーツなら、私の好みのしょうもないところを指摘してくれるでしょうか。「カノン」に関係しているの?誰か教えて、この妙な癖について。