音楽のカテゴリーに入れようかと思ったけど、内容がほとんど音楽について書かないことになりそうなので、やめました。
 テイラー・スウィフトのアルバムが面白くてよく聴いているのだが、気になった言葉がありまして。
 「ex」という言葉がたくさん出てくるのだ。ex自体は、そんな珍しい言葉ではなくて女性側からしたら「ex boyfriend」とか 「ex husband」のように、元カレとか前夫という単語としてよく使われる。もちろん逆の立場から「ex wife」や「ex girlfriend」というように「前妻」「元カノ」みたいに、とにかく「前の」とか「元」とかいった意味なのだ。
 恋愛をうたっているなら、「ex」という単語が出てこないこともないが、テイラー・スウィフトのアルバムにはよく出てくる。そう「よく」出てくる。頻繁だ。
 そこでなんとなく自分の頭の中に疑問がわいてくる。なんでこの人こんなに「ex」に執着があるんだろう。いや特別な執着はないのかもしれないけど、でもこの言葉がこんなに一つ二つのアルバムで多用されるのは、私にとってはちょっと気になる。
特に女性は、別れた恋人に対して冷たいとか、吹っ切ってしまうとか言う。男性はいつまでも想っているとか初恋でさえひきずっているとか言う。私は自分自身が、以前好きだった人を憎まないまでも大体「いやだなあ」「嫌い」「なんであんな人を好きになってしまったのか私」とか思って気持ちを切り替えるので、あまり健全ではないのかもしれないけど、そうやって前を向いてきた。中には「可愛らしかった」という気持ちのまま記憶に残る人もいるけど、そういう人たちってだいたい友達の域をほぼ超えていない。相手もどう思っていたかなんかはっきりわからないまま、もっと好きな人ができて、まあ良いやってなる。いずれにせよ、未練も執着もまったくない。もらった物なんて手元に置いておきたくないから少々もったいない物でも簡単に捨てる。だから「ex」の人とできれば一生会いたくないのだ。キレイな別れ方をして、好きだけど仕方なく別れたりなんかして、って人は執着があるのか。フラレちゃっても好きって気持ちはまったく理解ができないのだ。私はそちらの想像力が貧しい人間なのかもしれない。
 ただ、女性ってそういう割り切っちゃうところあるよね、とどこかしらで聞く度に「ああ女の人って割とそんなもんなのか」と納得してきたので、「ex」がたくさん出てくるテイラー・スウィフトの歌詞にはやはり引っかかってしまう。
 そこでふと思ったのが、「もしかしてSNSのせいでは?」というこじつけだ。こじつけだけど、ちょっと当たっている気もしている。まあ仮定ということで。
 ほんの少し未練があったとして、別れたり気持ちが離れた後でもアドレスを残していたとしたら、簡単に連絡が取れる。LINEだってそうだろう。簡単に会話できちゃう。思い切って消したとしても、今どき調べたら簡単にどこからかそれらしき情報が見つかってしまう。だから、スッパリ切れないのかもしれない。そして「ex」と簡単に連絡が取れたり会えたりするのかもしれない。そういうのって、お互いちょっぴり不幸なことだなあと、私は感じてしまう。