雪の降る季節がやってきて、まずは、床から沸いてくるような温かさに感謝した。温かくて、外の寒さがよくわからないくらいだ。ただ乾燥して、喉が痛くなるので、加湿器を買い、慣れないうちは毎晩のように加湿した。
 日中は外に出ると、わっ寒い!!と驚き、家に戻ってくると「あったか〜い!」と感激した。
 床暖房と蓄熱機には本当に感謝している。
 床暖房と言っても、一度書いたかもしれないが、床のすぐ下に暖房を敷くようなことではなく、コンクリートに管を張り巡らせ、そこに温水を流すような仕組みである。これが、床のすぐ下に暖房を敷くよりも、全体的にコストが安いという魅力的なシステムなのだ。家のそういったシステムは数年でどんどん変わっていくので、最近のことは知らないが、当時は珍しかった。全体的にコストが安いのに何故多くの企業が採用されていないのかは、おそらく無駄だと思う人が多いからだと思われる。実際、自分たちが家にいない時も温まっているし、何といっても自分がいない部屋まで温まっているのだ。全体が温かい。しかし、トータルで考えると安く済んでいる。夜に電力を使って温めた温水が、昼間に温かい空気となって沸き上がる。又、部屋によって温度差がないというのも魅力。一応、各部屋によって温度調整はできるが、温度変化をつけると、結局温かい部分から寒い部分に水温も気温も流れていき、寒々しく感じるとのことで、全部屋統一している。私としては、夫が心配で、洗面所やお風呂の床が温かいということが本当にありがたい。
 同じ建築屋さんで家を建てて、紹介してくれた友人が、以前、厚着をして遊びに行った私に「この家に住んでいると、厚着しなくなるよ」と笑ったことがある。冷え症とかなくなっていった気がするよ、と。これも数年かかったが、納得である。足元が冷えるということが滅多にない。ホルモンのサイクルで冷えて感じることはあるが、ずっと年がら年中冷えているということはなくなった。最初の1〜2年は相変わらず厚着だったが、それを過ぎると、あまり着込まなくなった。コタツにも電気を入れずに布団がかかっているだけで、中がこもってとても暖かい。本当に色々と助かっている。
 蓄熱暖房も、私は知らなかった面白いシステムである。レンガが中に入っており、夜の間に電力を使って、そこに熱を蓄え、朝方に電気は切れるが、その熱を徐々に出していく。どうしても急に寒く感じた時は、その暖房を付けることはできるが、わざわざそれを付けたことはない。
 この文の端々からわかると思うが、床暖房も蓄熱暖房も、電気代が安い夜に温める。熱を蓄える。そして昼間にはその電気を使わず、ただその熱を放出する、という仕組みである。だから電気代が高いと言っても、実は前のアパートに住んでいた頃よりトータルで安い。
 ちなみに夏も家の中で空気が循環しているので涼しい。もちろん冷房が必要な時期はあるが、割と短くて済んでいる。