ここ何年か、「ミント味」が好きになっている。
 とは言っても、飴やガムでのミント味ではない。ケーキやアイスクリームなど、デザートに乗っているミントそのものや、アイスクリームのミント味である。
 飴やガム、またタブレットタイプのミント味は、得意ではない。
 元々ミント味は苦手であった。先ほど書いた、デザートに乗っているミントも苦手だったし、アイスクリームのミント味も避けていた。何故甘いところにあのスースーが必要なのだと思っていた。飴やガム、タブレットのミント味に至っては、なめていられない、かんでいられない、喉や耳にスースーヒーヒーきて、ああダメだ!!と耐えられずに吐きだしていたくらい苦手だった。
 なのに、何がきっかけだっただろう。デザートについているミントの葉を食べると、とてもさわやかで美味しく感じた。甘いケーキやクリームと合うじゃないか!と思った。これはここ10年以内のことだと思う。
 次にアイスクリームのミント味。これは本当に「ここ数年」のことである。チョコチップが入ったミント味のアイスクリームに夢中である。真夏なんか特に美味しくて止まらない。止まらなくなると後で胃に負担になるから我慢しているけど、1カップも要らないとか思いつつ「美味しいからもう一口」とかやってると、気がついたら1カップなくなっている。コンビニのミントアイスもうっかり買ってしまえば、夫や息子に「一口ちょうだい」とか言われない限り、一本ほぼ独占である。
 苦手だったものが食べられるようになり、それが美味しくなる喜びったらない。
 もちろん年齢を経て、胃への負担のせいで、食べられなくなった物、好きなのに少ししか食べてはいけない物も出てきてそれは残念であるが。
 そういえば、息子が魚介類に対してちょっとしたアレルギーであることに驚いた。
 「やたら喉が渇くと思ったら、お刺身食べたからかー!」と言っていたので「なんで?なんか関連ある?」と聞くと「ホラ、あの特有の喉のかゆみみたいのがあるじゃない?」と言われ「ないよ。なにそれ」と驚いた。息子は魚介類に対して、アレルギー反応が出ているではないか。「何で今まで言わなかったの?」と聞くと「みんなそんなもんだと思ってた」と愕然としている。愕然はこっちもだ。息子は、大好きな魚介類を制限しなくてはいけない悲しみにくれていた。
 好きでも体が受け付けなくて食べられない物ってある。それは本当に仕方のないことなのだ。
 もちろん、息子もあまり得意ではない食べ物で、克服してきてものもある。美味しい!と思えているかどうかは知らないが、元々好き嫌いがほとんどない子なので、そうやって食べる物が増えていくことの喜びを知るのは良いですね。
 今年の夏も、私はミント味のアイスクリームを食べるだろう。ピスタチオ味は、まだ来ないなあ。