『ズートピア』を観に行きました。
 夫の仕事関係で、CGを使ったアニメ映画は、技術的にも興味があるらしく、付き合っている頃から観ていた。『トイ・ストーリー』は、ウチの中でビデオだったが面白く観ることができた。その映像とか技術云々はわからないが、ストーリーが意外と深かったりよくできていたりで、アニメといえども侮れないことを知った。
 ディズニーの映画は、親友の一人Kちゃんに紹介してもらって、『アラジン』『美女と野獣』を観て、うまいこと映画にしたなあと感心したものだが、『トイ・ストーリー』は、話の質の良さがさらに磨かれていた気がする。子供に向けての単純なメッセージだけではない、大人向けのアニメ映画をディズニー(ピクサー)はどんどんつくっていると思う。
 『カールじいさんの空飛ぶ家』や『シュガーラッシュ』などは、子供向けだなと感じるが、新鮮なストーリー展開は感じられたし、息子も私も感情移入していたので、子供向けと言えども心を動かされる映画であることは間違いない。
 そして『アナと雪の女王』で、私は度肝を抜かれました。これは大人向けの映画。女の子は、いわゆるプリンセスが出てきて、主人公は二人いるも同然。食いつきが良いのは当たり前だ。でも男の子でも楽しめるし、テーマがかなり深い。家族関係とか親子とか女性同士とか兄弟姉妹に関して考えさせられるというか、心理関係に少しは知識のある人ならものすごく面白く観ることができる。そして吹き替え版が秀逸。松たか子も神田さやかも歌が素晴らしい。日本語訳も可笑しくて楽しいだけでなく、英語とあわせて観ると、とても面白い。そしてピエール瀧の可愛さ。おじさんなのに。そんなわけで、私は今でもディズニー映画の中で『アナと雪の女王』は飛びぬけていると思っている。
 その後『ピクセルズ』もかなり面白かったし、今回の『ズートピア』も良かった。
 『ズートピア』に関しては、英語と字幕と吹き替え版の両方観たらもっと面白いらしい。ネットで感想を書いている人たちの文章を読んでみると、英語に達者な方たちが実にうまく解説していたし、色々なことを聞きとって楽しんでいた。動物たちが主人公で、ヒーローがヒロインを慰めるシーンが甘すぎるのだが、英語だとそうではないようで安心した。
 あらゆる動物たちが出てきて、共存しているわけで、要するに人々の心に根付く差別の意識に訴えかけている内容だ。子供たちは単純にストーリーを楽しめるだろうし、大人もやはり楽しめる。
 当たり前だけど、人は国や人種によって性格的な特徴や傾向はあるものの、個人で付き合うと、その個人の良さがクローズアップされる。相対している時に、その辺の割り切りや開き直りがあるのが私、帰国子女の良さだと思っているし、でもどこか偏見が付いて回ることもある。その上で「この人好きだなあ」とか「この人いやだなあ」とか思う。やはり個人で付き合わないと、お互いのことってわからない。考えや表現方法、それはニュースなんかで言われる「○○人は〜〜」という説明とはまた違ったものなのである。
 それにしてもディズニーピクサーの、真の犯人には「えっそうだったのか!」って気づかない。いっつも騙される。毎度、自分の単純な頭にガッカリする。