お笑いだと「ボケ」と「ツッコミ」がある。アナタはどっちのタイプ?って、大学生の飲み会の頃からそういう話題は出ていた。そんな時も、関西だったためか、ちょっとボケられた時、女の子もちゃんとツッコミができないと、たしなめられる。「今のツッコミどころやで」とか「ボケてるで、ツッコまな!」とか。おかげで、少々鍛えられ、今テレビを観ていてもテレビに向かってツッコミは入れてしまう。その後、札幌に住んだことがあるが、札幌の人たちはまた気質が違って、誰かがボケ始めると、延々とボケ大会が始まる。その習慣を知らなかった頃は、その一人一人のボケに対して私はいちいちツッコミを入れていた。でもその作業がむなしく思えるくらいボケ続けられて、私は疲れてしまった。当時は「なんなのこの人たち」といやな気分さえした。ツッコミ入れたんだから反応しないと、笑って一段落しないとっていう。関西人のお笑いに対する傲慢さでしょうか?? でも、段々そのボケ大会も面白くなってきたんですね。それをただ横で聞いてウヒャウヒャ笑っているだけだったりするのもまた楽しくて。でもそんなだから札幌の女性店員の接客態度が感じ良くないのだろうかとさえ思う。面白くしてくれて、気遣ってくれて当たり前っていう。自分は女だから参加してませんていう。……まあ今のテーマに関係ないから良いんだけど。
 そうやってツッコミを入れるにしろ入れないにしろ、そういう会話の反射神経の鈍い私はやっぱりボケの方なのだ。もちろん計算して面白くボケることはできない。素人だし。なので、「天然」と言われるボケタイプだと思う。
 とはいっても、それほど「天然」なエピソードが湧いて出てくるほどあるわけではない。数か月に一度会う友人たちにはだいたい自分の面白エピソードは語れるので、数か月に幾つか、天然ボケをやらかしているということで、そうではない人からしたら充分なのだろうが、テレビを見聞きしていると、真の天然ボケのエピソードの多さや質のすごさたるや、当然勝てる気はしない。
 さて、何故こんなことを書いているのかと言えば、すっかり前置きが長くなってしまっが、傍から見れば天然と言われるけど、自分では大丈夫か?と思う部分があるからだ。
 それは「自分とコップとの距離感」である。
 これを物心ついた頃から今でも、継続的に直すことができないでいる。今でこそ老眼入ったが、私の視力は良い方でした。運動神経も走るのが遅いのと懸垂、テニスなど特定のものが苦手以外はどれも無難にできたし、嫌いじゃなかった。なのに自分とコップとの距離感が取れない。どういうことが起きるかと言うと、コップが自分の口に届く前にコップを傾けすぎてデレレ〜〜とこぼすのです。恥ずかしいでしょう?家でもしょっちゅうやらかす。或いはコップの中の飲み物の一口目、口の中にほおばり過ぎて飲み込む前に口から溢れてしまい、口の両端からブシュッとこぼれる。これもしょっちゅうだ。飲み方が悪いようだが、ほおばってからのみこむのはついやってしまう癖なのだ。そんなわけで、コップとの付き合い方がおかしい。
 ……大丈夫だろうか私。