息子が中学二年生になり、少しずつ親離れをしていることを実感している。
 何度も書いているが、反抗期は幼少期が一番激しくて、毎日怒鳴り合いの大ゲンカのようだった。それから少しずつ落ち着きはするが、それが終わったなあと感じることなく小学生になり、二番目の小さな反抗期と言われる四年生頃も立派に反抗してくれた。
 「落ち着いた!」と実感したのは、5年生の頃だ。私が思う「少年らしさ」満載の、素直で可愛い息子にメロメロだった。しかし、丁度その頃に、「僕、自分の部屋で寝る」と言い始めた。中学一年生頃からそういう風に言うだろうと勝手に予測していた私は、戸惑いつつ「その時期が来たか」と思って受け入れるようにしていた。それから風邪をひいて不安な時以外は、自分の部屋で寝ていた。
 そして6年生の半ばからまたちょっとした反抗期に入った。口答えはするし、いちいち否定してくる。時々うんざりしつつ、中学一年の途中くらいでそれも一段落。一段落する前からとにかく周りの目を急に気にするようになってこちらも戸惑い、驚いた。
 そうなんだ、反抗期というより思春期って言うんだろうなと思いつつ、もっと反抗がひどくなっていくのだろうかと時々不安になる。でも周りの話を聞いていて、男の子たちは「無口な時期」がやってくるのだと気が付いた。兄のことを思い返してみてもそうだ。私自身も、下校後すぐに部屋にこもっていることが多かった。部屋で何をしているかと言えば、勉強ではなく、友達に手紙を書いたり、好きな音楽を聴いたり、本を読んだり、当時携帯などなかった私たちは「声のテープ」と言ってお互いの思っていることやそれに対する感想なんかを録音して交換していた。時には晩御飯まで寝ていることもあり、晩御飯が終わっても、祖父母が一緒に暮らしていた私は居心地が悪くてまた自分の部屋にこもっていることが多かった。時には二階のテレビのある部屋で親とテレビを観ることもあったけど、基本的に一番親と話さなかった時期であったように思う。
 だから友人たちが「子供が話さなくなってきた」とか言うと、ああこれを昔は反抗期と呼んだのかもなあと思うのだ。息子もそうなるんだろうなあと。こんなにお喋りが好きな息子が?と信じられない気もするのだが、兄もすごくよく喋る方だったので、高校生くらいの黙りこくっていた時期を思い返すとそれほど不思議はない。
 果たして息子は、少しずつ喋る時間が減っている。話し始めると止まらなかったり、機嫌が良い時は色々と話して聞かせてくれるが、自分のしたいことをしている時や機嫌が悪いととにかく黙っている。嫌な表情をしているので、そっとしている。あからさまな時だけ「どうしたの」と聞いているが、基本的に放っておくようにしている。ちゃんと息子も成長しているんだなと思うので。
 実は、中学一年生の途中からしばらく、同じ部屋に布団を敷いて寝ることが続いた。きっかけは思い当たることがある。一つは私が手術、入院で一週間いなくなったこと。そして退院して戻ってきて間もなく、息子が蕁麻疹を出して気を失ったことである。