個室ですぐにでもシャワーを浴びたいと思ったが、その日は手術以来、初めて微熱が出たので、念のために我慢した。
 看護師さんは何度も次々とやってきて、コンセントのことや室内の一つ一つの説明をしてくれた。これからのスケジュールのこともきちんと説明してくれた。「わからないことは」と聞かれ「今はないですけど、もし何かあれば、ナースステーションに聞きに行けばいいですね」と言うと「わざわざ来なくても、ナースコールで呼んで下さい」と笑われた。
 待遇が違う!!看護師さんたちの態度が違う!!!と驚いた。
 やはり大勢を抱えていないからか、余裕がある。
 しかし、これは人に聞けば、後者の看護師さんたちの方が、当たり前なはずだとのことだった。関西の母が知っている病院の看護師さんたちは、もっと愛想が良いと言っていた。さすが関西である。店員も看護師も、皆明るく、人当たりが良いのだろう。少し羨ましかった。
 個室に移ってからの看護師さんに、大部屋から聞いてきたことを伝えたり、言うように言われていたことを伝えると「それは担当医に聞かないと判断できないですねえ」と慎重に応対され、やはり大部屋の対応がいい加減であったことを感じずにはいられなかった。
 ずっと尿量を計っていたのだが、部屋を移る時にそれまでの看護師さんに「あれは個室のトイレではどうすれば良いのか」と聞くと、随分いい加減な返事が返ってきた。個室の看護師さんは、そのことについても聞くより先にちゃんと説明してくれた。
 点滴をする時にも、それまでの処置を見て雑だと笑い、あちこちチクチクされた腕を見て「確かに見つかりにくそうだけど。かわいそうに……」と驚いていた。
 手術後、ずっと便秘で、木曜の朝も「便秘が辛いです!」と担当医に訴えていたが、部屋を移ってすぐに出た。あまりにリラックスして尿量を取るのを何度か忘れかけて慌てて途中から計るということもあった。とにかく、リラックスしたので、ドッと体がダルくなった。夫が見に来てくれた昼も「まあ、二泊や三泊なら良いんじゃない?」と言ってくれたし、夫もリラックスしていたので、たくさん喋れた。
 夫は、毎朝息子のために朝食を準備してくれていて、毎日洗濯もしてくれた。直前まで「やるよ!」という気持ちをまったく見せてくれなくて、本当に心配したのだが、実に甲斐甲斐しく務めを果たしてくれた。病院にも毎日顔を出し、洗濯物を引き取ったり私が頼んだ物を持ってきてくれたり、疲れたことだろうと思う。木曜の朝には、私の母が来ることもあり、浴槽をザッと拭いてくれたらしい。掃除を一切しない夫が!
 その頃には、母もこちらに向かって移動しており、来てくれるだろうが、ここしばらく雨による災害も多く、まだ心配していた。時間通りに電車は動くだろうか。