担任であった彼女は又、発達障害に対しての理解も非常に未熟であった。教室でウロウロしたり暴力を振るったりする子をそういう気があると言っていたが、彼女より多少は知識のある私から見て、その子にそういう傾向があるようには見えなかった。あきらかに家庭に問題があり、次に先生の対応に問題があるという風に見えた。むしろ我が子の方がその子よりグレーゾーンであったくらいだ。担任にとって、自分が手におえないやんちゃな子をそうやって位置づけて片づけてしまって、自分には何ともできない言い訳にすることが、私には許せなかった。
 息子は、家ではしない爪かみを学校ではしていたらしく、その先生は「汚い」とよく注意していた。アレルギーで鼻をかみ、ティッシュを落としまくっていたその光景はあきらかに褒められたものではないが、それを「汚い」ということも以前うるさく言っていて、息子はそういったことで自信を失くしていった。こちらとしては、直接的な要因として「カーテンがカビだらけで、床がじゅうたんであることで息子のアレルギーはひどくなってしまって」と言うと、「そういうことじゃなく、落とすことが汚い」と言われた。そりゃ息子のそういった点は注意するべきなのはわかっている。息子も何とかしなければと思っていたし、私も家ではこまめに注意していた。私は単にそれを引き起こしてしまう原因を言っただけである。息子の行為は、それはそれで注意していかなければいけない。しかし、先生は何度も叱っていたのに直らないっていう息子の特性がわからず、責任を問われるような気がしたのだろうか。私は別にこの環境でそういう症状が出ることを皆にも理解いただきたいと思っただけで、息子のそういったことはそれはそれで事務的に注意し続けてほしいと伝えたのに、うまくいかなかった。
 どもりに対しても「ゆっくり言いなさい」とか何度も言ったらしく、息子は強く気にするようになった。周りの子供たちも真似をしてからかうようになった。
 その先生のやり方が色々と不満であった。子供たちに対する注意の仕方、クラス作り。一年間なら、そういう先生もいるか、と割り切れることもある。でも四年間も我が子は持ってもらい、一度も「今回のクラスは良かった」という記憶がない。今「一年間なら仕方がない」と書いたが、私が小学生の頃も、今、他の母親友達に聞いた限りでも、一年以内にクラスの雰囲気をガラッと変えて立て直した先生はたくさんいる。
 先生と何度も話し合いに行ったが、結局真意が伝わらなかった。