ダンナの音楽の趣味で面白いことを発見した。
 このカテゴリーに時々書いているように、ダンナと私の距離が縮まったのは、出会って間もなく、音楽の話が合ったからである。すごくメジャーで流行りの曲や大人気のミュージシャンでなかったため、余計に親近感を覚えた。ラジオでかかるロックでも「これカッコ良いよね!」という曲が次々と一致し、細かいところではどこが好きかとかは違うものの、結局はやっぱりこれ良いよねという曲は合う方で、今でもお笑いの話の次くらいに音楽の話は楽しく話せる。
 細かい違いは色々あると書いたが、私の方が少々ミーハーな部分があり、ポップな曲、流行りの曲や恋愛モノの曲も楽しめていると思う。バラードも曲によっては好きだったり、クラシックも曲によってはとても好きなものがある。夫の方がパンクやロックに詳しく、歌っている人の魂のこもり方を重視する。
 そして、最近(これを書いたのは随分前です)観た映画『シェフ』のサウンドトラックが大好きのようだ。私も割と楽しく聴けるのだが、夫の好きさ加減が相当なものなのである。今までの傾向からして、素朴さを出したトランペットやチューバの演奏が好きなようなので納得はしている。おじさんたちが歌っているけどね。
 他にニューヨーク・ドールズの‘We're All in Love’も好きで、そこはハーモニカ演奏も好きなダンナのことだからとそれも納得している。そうそう、奥田民生の曲で、ハーモニカが聴こえてくる曲を以前も好きだと言っていたよね。この曲はおじさんたちが乱暴な感じで歌っているけどね。
 そしてこの前も『Hot 8 Brass Band のアルバムを聴きながら「これ、おじさんの音程が合っているのかどうかすらよくわからないけど、なんだかすごく好きなんだよねえ。なんでだろう、何がそんなに僕に響くんだろう。僕の傾向ってなんだろう」とか言っている。確かに素朴で荒々しい演奏もあり、ダンナが好きそうだと思った。が。ふと気づいた。
 ここにも書いているように、どれも「おじさんが歌っている」のである。しかも、ちゃんと合わせようとしていない、それぞれが魂で歌っているような。そう、「それぞれ」っていうのは、つまり大人数なわけで。要するに合唱です。もしかして……。
 「……おじさんの合唱が好き??」
 「えっ?」
 いやいやダンナは、女性ヴォーカルでも、ソウルフルなミュージシャンや、なかなか甘い歌声を出すミュージシャンが好きっていう好みもあって、女性も好みなんです。でも、「ホントだ!そうかも!!」とか感心している。おじさんがおじさんの合唱好きってのは、なんだか笑えてしまった。これからもそういうことを意識して曲を聴いてみよう。おじさんの合唱が聴こえてきたら「この曲好きでしょー」ってツッコミを入れてみよう。
そんなわけで、音楽を通じてダンナの新たな一面を知りました。