最近、習慣というか最近ではもはや癖だとも言える自分の行為に気づいた。
 それは、夫に「これってわざと開けてるの?」と聞かれた鏡の半開きである。なんなら全開のこともある。
 これが大雑把で、やることなすこと雑な私らしいという思いもあって、ちょっとフォローしておきたくなった。
 実は家の中のあらゆるドアがちょっと開き気味だったり半開きだったりする。これには幾つか事情がある。
 まず一つは、カチッと閉まる部分がバカになっちゃうことが心配なのである。ぴったり閉められていたら気持ちが良いのだが、留め金の凹凸がバカになっちゃって、ゆるくなってしまうことがある。これが非常に残念なのだ。でも考えてみればそれが残念だからとぴったり閉めなければ、一体いつそこを使うのだろう。
 次に、バタンと閉まる音が何故かほんのちょっとドキドキしてしまう。耳障りであり、いちいちビックリしてしまうのだ。ちょっと私のおかしなところなのだろうが、音はそっとたてたい。大きな音は継続して段々となら構わないが突然バタンとかピシャッとかすると、わっごめん!といちいち思ってしまう。それをいやがって全部ピッタリ閉めないことが多々ある。
 そして最後にこれが一番の理由。
 結婚して間もなく札幌に住んだ時。最初のアパート、湿気が本当にひどかった。油断するとカビだらけになり、よくアレルギー症状が出たり咳き込んだりして、寝込むことが多かった。掃除に追われて一日が過ぎていく感じ。物置に虫が湧いていて泣きそうになったこともある。靴箱も油断するとすぐにカビが生えた。その頃から、クローゼットは滅多に閉めなくなったし、通気性を第一にあちこち開けるようになった。
 その後、引越した所は良かったものの、さらにこちらの地に移り住んだ時のアパートも結露が結構なものだった。毎日お風呂の天井と窓を拭くことでクタクタになった。それでも床は冷たく、カーペットは張り替えてもらったり、油断するとすぐにカビは生えた。もちろんクローゼットは開けっ放し。以前住んだアパートのように物置やクローゼットの中はカビを生やしたくないという思いが強い。布団や衣類がもったいない。
 そして今の家は、乾燥している。カビなんて滅多に見なくなった。あまりに放っていると、冬場の窓枠には生えてくるので、そこは時々気を付けているくらいだ。もちろんお風呂も生えないけど時々気にしている。が。習慣づいちゃったんですね。洗面所も以前はよくカビを生やしていたから、鏡を閉め切って鏡の中を湿気でこもらせることにならないか心配しちゃうんです。もちろんクローゼットも心配です。あらゆる物や場所の通気性が咄嗟に頭をかすめ、閉め切ることがなかなかできない。
 でも、この家ならちゃんと閉めても良いのか……。
 あとはじゃあ「音」か。それに関しては、そっとやらなきゃなあ。物の扱いが雑だから、私の周りの物は、激しく動くのが当たり前になっちゃってるもんなあ。