中一の息子が思春期に入ったようだ(一年ほど前に書いたものです)。
 「反抗期」と一色汰にされるが、あれこれと読んでみたり、自分でもよくよく考えてみると、反抗期と呼ぶものの実体が、実は思春期なのではないかと思い始めている。私なりというか、独自の見解かもしれないが。
 思春期というのは、急激な成長により、ホルモンバランスが不安定になり、それでイライラすることは当たり前だが、精神的なことを挙げれば、自分の言動に対して客観的になり、それによって周りの目がそれまで以上に気になるようになる。自分で考えたことがハッキリしてきて、それを認めてもらいたい。だから、親に色々と口うるさく言われると反抗するのではないかなと考えている。いやいや、自分の考えでこのように行動しているのだ、もう子供ではない、という気持ちが強くあるために。実際、息子を見ていて、まだ150センチもあるかないかだけど、何となく体つきや顔つきに、少年のあどけなさはない。外見なんて、赤ちゃんの頃から見ているから、成長するのは当たり前。近くに並んでも背の高さは変わってきているし、ふと幼かった頃の体型を思い出して「わー違うなあー」と感慨深い。でも表情は、数年前の写真を見てびっくりしちゃうのだ。あれっ、こんなにあどけなかったっけ?ちょっと前なのに。本当に複雑な表情をするようになった。目の奥が色々知っている。あはは。
 だから、子供の激しい反抗に遭いたくなければ、あまり口うるさく言わないことだ。
 いやいや、子供の反抗を恐れて、口出ししない、というのとは違います。子供扱いはやめていったら良いんじゃないですか、ってことなのだ。
 息子の思春期は、6年生の途中からやってきて、とにかく感じ悪くなったが、中学一年になってから、あからさまにイライラするようになった。ありゃホルモンのせいだ、仕方ないと思うが、そのイライラが過ぎるとさすがに私も腹が立ってくるので、久しぶりに怒鳴ってしまったことがあった。一応、親が受け止められる境目というのはあって、そこはわかってもらわないと仕方ない。後から「今日は受け止められなかった」と言った後、怒鳴って傷つけたことを謝ったが、息子も泣きながら謝ってくれた。この子は、大丈夫なんじゃないかなと、自分の子育てに淡い希望を抱いた。
 なるべく口うるさく言わないようにしなくちゃと思うのだが、息子はまだ今のところ、できるだけ親と一緒にいて、「色々喋りたい!!」という気持ちの方が勝っている。そのうち、喋りもしなくなるかもしれない。今は機嫌の良い時はとにかく話してくれる。もちろん、機嫌の悪い時もあって、そんな時は押し黙っている。ちょっと言葉でつつこうものなら、キーキー怒るので、そっとしておくことにしている。