引越し先は近くなので、一週間に一回は見に行った。仕事をしている人たちに差し入れのペットボトルを持って。本当に毎回楽しみだった。少しずつできていく外観。内装。
 完成予定より2か月ほど前に外観がしっかりできた時には「もう住めるのでは」と気が急いた。
 窓についても少し触れておこう。夫は北国育ちで、昔から窓は二重窓だった。そうやって気密性を高くして、部屋は暖かく、窓の結露もほとんどない状態。なので、アパートでの結露の大変さと部屋の寒さには信じられない、といった風であった。私も少しは札幌に住んだのだが、最初のアパートはともかくも二番目に住んだアパートは、結露がほとんどなく、気密性の高い部屋だったので、今回のアパートのそれに関しては不満だらけだった、お風呂から上がる時にほぼ毎回、天井の結露取りをしないと、お風呂がカビだらけになる。換気扇は一日中回し、それでも洗面所に漏れる湯気で、洗面所の天井がカビだらけ。冬の朝は、毎日結露取りに追われ、ヘトヘトになって次の家事になかなか進めない。窓際は寒く、壁紙はすぐにカビが生える。床に直接布団を敷いて、ベッド二つ+布団で、三人で寝ていたが、布団や床にもカビは生えた。床のカーペットや壁紙は自費で一度張り替えてもらったが、また生えていった。
 そのうち、私を含めた家族全員のアレルギーが悪化していった。
 アレルギーが悪化すると、体も辛いのに、結露取りにも追われる。床は常に冷たく、ストーブをガンガンつけていても、足元はいつもひんやりしていた。
 家を建て始めた頃、同じ建築屋で家を建てた友達に聞くと「そんな結露取りなんかしなくて良いよ」と言う。窓は二重窓じゃないけれど、ガラス自体が三重になった良いガラスなのだと。
 そして、建築屋さんに勧められた窓をそのままお願いすることにした。建築現場で働く人や蓄熱暖房器具の説明をしてくれた人たちに、「○○(頼んだ建築屋さんの名前)は、良い窓使ってるからねえ〜」と言われて嬉しかった。決して、建物全体の費用は高く取らない建築屋さんの良心も感じた。
 住んでみて、結露がまったくないわけではないのだが、まあほとんどない。とりあえず毎日結露取りに追われることはない。カビに関しては年に1〜2回、サッシを拭き掃除するくらいで充分間に合う。お風呂ももちろん、一日中、換気扇を回すということもないし、毎日お風呂の天井と壁を掃除しなければならないこともない。お風呂上りに、せっかく温まった体が冷えることもない。こればかりは、ただ純粋にお風呂で温もり、快適な気分のまま上がって寝ることができる。本当に本当にありがたい。
 しかし文を読んでいて何となく察しはつくと思うが、乾燥はする。冬は特に。洗濯物も、室内に干したりして、その湿気を結構重宝することになる。とは言っても、パリパリに乾燥するわけではなく、かなり水を含んだ物は、やっぱり乾燥機が必要だったりするんだけど。
 でも、誰かの体調が悪い時には、寝室に加湿器が要る。難しいものですね。