ユニコーンが『ロック!クロック!オクロック!』という曲を出した。
 今どき、シングルなんて出さないし、ユニコーンのホームページをチェックしている時に発見した。新曲あったのか。
 『私はおじさんになった』という曲も。森高千里の『私がおばさんになっても』という曲から来たのかな。『私がおばさんになっても』は、カラオケで20代の頃よく歌った。彼女の曲は面白い。『私はおじさんになった』を歌っているのを観ていると、奥田民生が、トレーニングウエアというか、スエットを着て収録しているシーンが出てきた。これはこの歌に合わせたのか、はたまた偶然なのか。他の服と違って、部屋着とかパジャマ感たるや半端ない。おじさんになったと思っていたが、タイトルも「おじさんになった」わけだが、この服はなあ……。こういう生地のは、フードのついたものにしてくれ。そうでないと、あまりにもおじさんくさい。おじさんは愛おしいと書いたことがあるが、これは愛おしいおじさんではない。矢野兵藤という漫才師がいるが、兵藤の日常着ではないか。と書くのもまた失礼だけど。ひっくり返るくらいおじさんくさい。生活感あふれ過ぎているのだ。まあいいや。歌詞の中の「す〜る〜わっけない」に笑わせてもらった。
 そして二曲目『ロック!クロック!オクロック!』である。
 これが度肝を抜かれた。
 目いっぱいふざけているのだが、めちゃくちゃカッコいい!
 出だしのイーグルス感に笑ってしまった。KISSを意識したロゴと外見だが、曲の感じはイーグルスだ。そしてヘビメタ風の奥田民生の声。『イーガジャケジョロ』のアルバム中の曲『ユトリdeath』の時にカッコいいと思い、ライヴで全身キュンキュンしたが、これは完全にヘビメタ声なのだ。喉を心配する。と、突然の高音。どちらも奥田民生なのだ。こんなに瞬時に声を変えられるものなのだろうか。音程までバッチリ。すごい。信じられない。声が低い私が言うのも全然説得力がないが、女性でもこの高音はなかなか出ないと思う。その高音も、ヘビメタ風にめちゃくちゃビブラートを効かせている。普段はビブラートを効かせない奥田民生が、である。私はそのまっすぐな歌い方が大好きなのだが、このおふざけは笑える。「ビブラート!」とか夫と画面にツッコミ入れながら笑って観ていた。
 そして一瞬の静寂の後、また出だしのメロディ。変調する。そのゆったりとした曲調の中で、皆の爆笑シーンがスローモーションで流れる。奥田民生がちっちゃなブースの中で収録のために歌い踊っているシーンがスローモーションで流れる。それを観ながら笑った後、テッシーのギターがカッコいい。めちゃくちゃカッコいい。そして阿部とツインギターのところは、まさにイーグルス。このツインギターというギターの聴かせ方はよくあることだが、何度でも聴きたいくらい、私は大好きだ。本当にカッコいい。
 ユニコーンは皆おじさんになり、健康も心配な年頃になったが、まだまだカッコいい。歌い演奏し続けてほしい。またこっち来て下さい。夫婦ともにファンなので、夫を置いて私一人では行こうとは思えません。子供も川西さんのファンなので、是非次も家族で行きたいと思っています。