相変わらず、赤江珠緒のラジオ番組「たまむすび」を時々聴く。最初は「たまむすびっっ」と繰り返されるフレーズで、頭の中がわんわんしていたが、それにも慣れて、話している内容を楽しめるようになった。
 以前も書いたように、月曜日から、カンニング竹山山里亮太、博多大吉、ピエール瀧、と相手になるパーソナリティが変わり、それぞれとのトークが楽しい。皆、話が楽しいのだが、赤江珠緒の魅力も満載なのである。12年間続けていた『モーニングバード』では、出しきれない‘たまちゃん’の素がいっぱい出ている。元気いっぱい遊びまわっていた幼少期の話を聞いていると少年らしさも感じる。又、アナウンサーを長年しているだけあって、頭の回転も速く、反射神経も良い。朗読も上手。さすがである。昔は、女性にしては珍しいプロ野球の実況をしたこともあるらしい。しかし。彼女はなかなかの天然なのだ。いわゆる女脳全開である。すごく適当なところもある。英語も苦手とみている。よく言い間違いをするのはともかくも、私生活からその場の発言まで、「ん?」と引っかかる部分が多い。それを普通だと思って、堂々と言いなさる。かなりのおっちょこちょいなのだ。彼女のことを、サバサバして色気がないと言う人も多いようだが、40過ぎてサバサバしていないと、やってられないってもんである。色気を出してなんぼの職業なわけでもないし、女優とかでもない限り、そんなもんではなかろうかと、私はものすごい親近感なのである。
 そして、自分から話すのではなく、人に話を振られたり、進行に一生懸命になると、かなりアップアップしている。必死感たっぷり。それがすごく人間的で良い。お行儀の良いそつのないことなんか言わない。媚びた表情も見せない。心で感じたことをちゃんと自分の言葉で話す。アップアップしながら。見ていてハラハラする。
 そうやって彼女は、強い自己主張することなく、アナウンサー業をやってきたから、彼女は自分の力量がわかっているのだろうと思い込んでいた。
 しかしこの前、『たまむすび』で、生中継の街ロケを何日か試みた時のこと。その一部を聴いた私たち夫婦は、彼女のリポートの下手さに大爆笑していたのだが、彼女は自分で聴いたらあまりに出来が悪くて不本意だったと、翌週嘆いていた。それを聴いた直後は落ち込み、ダンナさんを連れて旅行に行ったらしい。自分がちっぽけな存在だと気づき、元気になったと、若者みたいなことを言っていたが、それを聞いて驚いた。「えっ。自分はもっとできるって思ってたのか。」と。
 だってロケで、目の前にあるホテル「シャンティ」を必死になって解説していたんですよ。もうそこは良いからっていう博多大吉の静止を何度も振り切って、しつこくしつこくどうでも良いそのホテルの料金だとか、どんな部屋があるのか、外観を説明し、挙句の果てには、真昼間のこんな時間に誰か入らないか、或いは出てこないかとのぞいていたようで、もう興味本位丸出し。やっとちょっと違う風景を説明しだしたと思ったら、話はまた「シャンティ」に戻り、をしつこくやってました。ラジオを聴きながら「もうシャンティはどうでも良いから!」と大吉と一緒になって何度もツッコミ入れてしまいました。でも、そんなたまちゃんだから大好きなんです。身近にいたら、絶対友達になりたい。