初めての、息子からのリクエストによる映画を観に行った。『ピクセルズ』である。
 映画館での宣伝で、興味を持ったらしい。
 40代の私たちが小中学生くらいの子供だった頃、ボードゲームではないテレビゲームが流行った。最初に私が目にしたのは、従妹家族と旅行した時のホテルにて。子供たちが夢中になっている台に行くと、インベーダーゲームをやっていた。確か小学校四年生前後だったと思う。見ていてもすごく面白そうで、一度やったっけ。見ていて「できそう」と思うより上手くできないものだなあと思った。こういった類のゲームは、実はもっと幼い頃に一度だけ見ている。その話はまた別カテゴリーで書くとしよう。
 ゲームセンターに行ってするゲームは、私はイメージもあまり良くなく、男の子がするものだと思っていたので、まったく遊ばなかったし行かなかった。ただ当時、パックマンだとかドンキーコングだとかスーパーマリオだとか流行っていたので名前くらいは知っている。中学生になると、女子校だったが、友人の中にゲーム好きな子はいて、多分私が全然知らないから話題にしなかったのだろうが、家でかなり遊んでいるようだった。
 夫はゲームが好きだし、昔からそういったゲームで遊んでいた風なので、wiiを購入してからも、当時のゲームをダウンロードした。子供も意外と楽しんでいた。スーパーマリオパックマンは、いつ見ても面白いものである。
 さて、映画の話に戻る。昔そういったゲームで遊んでいた子供が中年になり、自分では不本意な日常生活を送っているという設定。あることをきっかけに宇宙人が地球を攻めてくることになり、その対応に追われる。その時の攻め方が、そのゲームなのである。この映画を知らない人は「?」だろうが、要するにパックマンだのドンキーコングだのマリオだのギャラガだのが三次元の世界となって、実際に目の前で行われるというわけだ。ゲームとまったく同じ条件で同じキャラクターで、巨大化して襲ってくる。それをクリアすると、闘いに勝ちというルール。
 主人公は、アダムサンドラである。大人になってからアメリカに住んだ時に、夫と観に行ったラブコメディ『ウエディングシンガー』の主役だった。彼もすっかり良い中年である。なかなかの魅力を醸し出していた。
 そして今回、その映画館の中に男の子が多くて驚いた。8〜9割が中学生から大学生の男子だったのではないだろうか。若いのに、男の子はこういうゲームを扱った映画に興味あるんだなあ。中年世代にとっては懐かしいくすぐりも色々とあったが、単純に笑える場面も多く、そういった時に映画館内で起こる笑い声が、全体的に低くてそれもまた私には可笑しかった。
 息子は、楽しく笑いながら観ていて、私も残酷な場面がないか心配だったが大丈夫だったし、予想以上にずっと楽しくて、観に行って良かったと思っている。
 細かな「あれはどうしたんだろう?」「あの場面は何だったんだろう?」ということは気にしないで、ただ気分爽快になる娯楽映画である。久しぶりに楽しい映画を観ることができた。