一日目の夫の仕事は、朝の10時からであった。東京駅で、コロコロガラガラとスーツケースを持ちながら乗り換えることや、運賃のことを考えて、夫は「車で行こう」と提案してきた。しかし、朝10時に仕事入り。ということは、距離的、時間的に考えて、ホテル辺りには9時頃着かなければならない。出発は、朝の4時になった。
 つまり、起床は遅くても3時半。前の晩に、朝ご飯を作ってパックに詰め、準備しておいたものの、着替えと洗顔くらいはしたい。早起きが大嫌いな私でも、3時半起きともなれば、もう早起きだかなんだかわからなくなる。
 3月下旬のことなのだが、起きたら、雪が積もっていた。ちょっとうんざり。慌てて支度をしたのだが、着ていく予定の服を着ると、家全体温かいはずなのに、歯がガチガチ鳴った。何でこんなに寒いのよう!衣替えをし始めて、洗おうと重ねてあったセーターの山から適当に一枚を引っ張り出して、上からかぶった。春用コートは手にもって、結局ダウンを着た。手袋と帽子もした。そうでなければ寒くて車の上の雪をほろえない。雪かきしなければ車を出せないほどではなかったものの、雪ほろいには、10分くらいかかった。
 家を出ると、霧が濃かった。前が見えにくい。雪も舞っているし、ちょっと危ないなあと思っていたが、高速道路に出ると、吹雪いていて、もっと危険だった。時々ホワイトアウトの現象も起きる。普段の半分くらいの速度でゆっくり高速道路を進み、後部座席に乗っているだけでも疲れるようだった。暗い。吹雪。霧。三重苦である。加えて寒い。四重苦か。当初予定していた服装なんかどうでも良いって感じの着込みっぷりになった。息子も厚手のダウンを着て出た。
 初めて首都高というものに乗ったが、よく聞かれるように、混んでいるんですね。ほんの少し焦りながら、でも空気が澄んでいたので富士山やスカイツリーを眺めながら、無事、9時頃にホテルの最寄駅に着きました。そこから、ホテルまでほんの数分、私が運転。息子がナビを見てくれていたので、頼りにしながらホテルに着いた。9時のホテル。チェックインは3時。……何しようか。来る前に、誰かに会おうかとか考えたこともあった。でも、平日の昼間である。春休みだからと言っても、そんな朝早くから誰も出たくないはずである。昼頃に会おうと思っても、3時にはホテルの部屋に入ってゴロゴロしたい。夜は夜で、夫が仕事を終わり、朝早くから運転をし、ヘトヘトなはずの夫、もう気遣いなどしたくないだろうから、結局近辺に住んでいる誰とも連絡は取らなかった。
 ホテルから駅まではすぐなので、駅周辺のショッピングモールに入った。店もまだほとんど開いておらず、朝早くから開いているカフェに入った。二人で、ディズニーシーのガイドブックを読んだり、今日のこの後の作戦を考えたりしていると、他の店のオープン時間は過ぎていた。
 電車に乗ってあちこち出るのも面倒なので、そこのショッピングセンターでウロウロすることにした。息子も雑貨などは適当に見て回ることができるようになっていたので、結構ウィンドウショッピングを楽しめた。又、翌日、アトラクション内をウロウロしながら近くに住んでいる人たちにお土産を買うのも落ち着かないので、その日の間に買うことに。