東京ディズニーランドに行ってきた。
 もう40年近く前に、当時アメリカに住んでいた私は、フロリダのディズニーワールドに連れて行ってもらった。そこが初めてのディズニーのアトラクションの世界であった。
 帰国して何年かすると、東京ディズニーランドができた。でも関西に住んでいたこともあり、初めて行ったのは、大学生の頃。親しい友達の友達が東京に住んでいるため、なんとなくディズニーランドに行くことになった。当時は、今ほどの熱狂的な盛り上がりは見せていなかったと思う。10月の下旬というハロウィンも一般的でなかった当時、中途半端な季節ではあったが、それにしても今と比べるとものすごく空いていた。ビッグサンダーマウンテンにも乗り、スペースマウンテンにも乗った。特別並ばなかったと思う。エレクトリカルパレードも、場所取りなんかしないでも普通に見ることができた。すごく綺麗で心を動かされ、エレクトリカルパレードの曲が入ったCDを買った。とても楽しかった。
 その次は、夫と結婚してからだ。当時もアメリカに住んでいたため、フロリダのディズニーワールドに行こうという話になった。新婚旅行らしい旅行をしていなかった私たちだったので、私はとても楽しみにしていた。自分で安くて良さそうなホテルを調べて予約をした。飛行機やレンタカーの予約は夫がしてくれたんだっけな。。
 今のディズニーワールドがどのようなことになっているのか知らないが、当時は、マジックキングダムという、メインのパークがまず外せなかった。そこは東京ディズニーランドと同じような感じで、シンデレラ城もある。他にエプコットという万博会場のようなパークがあり、MGMというパークがあり、あとは、やはり幼い頃に行ったシーワールドというディズニーには関係ないけど、東京ディズニーシーと少し似た感じのテーマパークがあり、ディズニーとはまったく関係ないユニバーサルスタジオがあった。私たちは、マジックキングダムと、エプコットとユニバーサルスタジオを予定していた。
 フロリダと言えども、当日は12月で雨が降ると寒くて、パーク内に入ってすぐに、上着を買った。今でもそれはパジャマの上着として活用している。
 その日はとても楽しみにしていたのだが、夫がそのような場で、どのくらい楽しんでくれるのか、当時の私には皆目見当がつかなかった。ちょっと気難しいところもある夫である。あと、私も実は心から楽しめないタイプであった。まだ若かったんですね。周りの目が気になるお年頃で。ハシャぐのはちょっと恥ずかしいっていう。
 だから、入り口付近で、すでにハシャぎ始めた夫に、内心驚いた。いやあこの人と結婚して良かったと、実はしみじみした瞬間だった。この人、こんなに楽しめるのかと、パーク内で何度も認識させられた。騒ぐわけでも多弁になるわけでもないが、明らかに気持ちがハシャいでいるのだ。オブジェや動物と同じポーズを取ってくれる。写真も撮ってくれる。もしかしたら、ずっと一緒にいる者にしかわからないかもしれないが、一見無関心のようで、ウキウキが表情に表れているのを私は見抜けた。科学館のような実験コーナーのような場所で、夫は次々と触り、試し、楽しんでいた。「そうか。好奇心にまかせて動いて良いんだ」と、今思えば当たり前のことを、夫を見ていて気が付いた。