夫が興味を示す物事に関して、私は割と首を突っ込んできた方である。自分の知らない世界で、夫を夢中にさせているものってどんなのなんだろう?という単純な好奇心からで、夫と趣味を合わせなくてはとかいう自分を犠牲にしたものではない。単に首を突っ込みたいのだ。そして、興味がないとそこそこ首を突っ込んだところでまた引っ込める。ある程度突っ込むと、共通の話題ができて面白いし、夫の話を聞こうという気持ちにもなるので、ダンナさんのことが嫌いでなければ、ちょっとは首突っ込んでみるのは、お勧めである。自分の世界がうんと広がる。べったり一緒じゃなくて良いので。本や漫画なども、子供ができるまでは、相当同じのを読んできた。夫が読んで「面白かった〜」とか「これ好きなんだよ」とか言うと、どれどれ見せて、ってな感じだ。時間がなかったり気分がのらなかったりすると読まない。あくまでも自分の気持ちに無理はしません。
 将棋もそう。以前は一緒にテレビで対局を観たり、観戦に行ったりした。私は観るのみだが、夫はパソコンのソフトで将棋を楽しんでいた。話を聞いたり本を読んでみたりすると、対局している人の個性がわかり、それぞれの人柄を感じた。そういった人たちの雰囲気を感じているうちに、子供の名前まで棋士から取ってしまった。夫婦して、雰囲気やエピソードが気に入った二人の棋士から息子の名前はできあがった。子供も将棋やチェスを知り始めた時、興味を持って夫と対局していた。夫は今でもパソコンで将棋をしている。
 私は野球やお笑いも好きだったので、それは助かった。男の人で野球に興味がないという人とあまり出会ったことがない。偶然かもしれないけど。すごく観ているわけじゃなくても、多くの人はルールをちゃんと知っており、選手の名前もある程度知っている。私には野球観戦好きの父と兄がいたので、もれなく私も野球観戦好きになった。お笑いに関しては、物心つかない頃から観ていたものの、「面白いな」と気が付いたのは小学生の頃の漫才ブームで。お笑いを楽しく観ることのできる家族だったので、遮るものはもはやなく、自分の好みだけで観たり観なかったり。でも今も大笑いしながらテレビを観ていることが好き。そのため、夫がお笑いの話をしても何しろ一緒に観ているわけだから、たくさんの話題を共有できる。野球に関しては、地域性もあり、今はほとんど観ないがその面白さはわかっていて、偶然一緒に観る機会があると、あれこれと話すことができる。
 映画も、元々兄が映画好きだったため、私も自分の好みをつくって積極的に観ていた。夫は結婚した当初、それほど映画好きではないと思っていたのだが、意外と映画好き。観終わった後に、あれこれと印象に残った場面や自分の解釈、考えを話すのはとても楽しい。
 音楽は、そのカテゴリーに書いているが、元々お互いに岡村靖幸の音楽が好きだという話で気が合って、そこから奥田民生を教えてもらい、他の人でも好きな曲が共通していたりして、話が盛り上がった。もちろん違う好みもあったりするのだが、「音楽が好き」という根本にある気持ちは共通しているので、話していて面白い。
 色々とサブカルチャーに関してとか、夫が知りたがるところを、私がちょっとだけかじらせてもらう。そして面白がる。そんな感じで夫の専門的な話以外は、私は夫と話していて共感できる部分があったり議論できる部分があったりして楽しい。