人間関係や、物事において好き嫌いがハッキリしているのは、夫にも私にも似てしまった。夫がどの程度ハッキリしているのかは実際のところわからず、男の人の人付き合いは、かなり個人差もあり、人とつるんでいるのが好きな人、人付き合いが苦手な人、苦手ではなく人嫌いな人、そんなの関係なく我が道を行って平気な人まで様々で、夫は好き嫌いもあるだろうがどちらかと言えば、我が道を行って平気な人である。私はその点、好き嫌いが激しい。人がたくさんいるのも苦手。嫌いな人とは喋りたくもない。でも好奇心はあるし、表面的には人当たり良くしている。で、息子はどちらかと言えば、好き嫌いが激しい。いやだと思った子のことは、何があってもいやなのだ。良い部分もあるよ、とわかっているようだが、それでも好きになれないからやっぱり嫌なのだ。とことんいや。気持ちはわかる。ただこれは、一見ストレスなようでいて、自分の大事だと思う好きな友達のことは全面的に信頼するので、そういう人との付き合いを大事にしていると、意外とそういう友達ばかりが周りに増えていき、結果的に人付き合いにおいてストレスがない。嫌いな人と一緒にいるくらいなら一人でいるということ。これは夫も私も同じである。周りから見て寂しいように見えるのかな?私はそうは思っていない。自分に合う人とだけ付き合う気楽さ。
 あと、夫に似ていると思うのは、夫が言うところの「不安気質」というヤツなのだが、多少その気質が出るタイミングが違う。考えたって仕方ないのにと思うが、あまり言うと「僕は気にし過ぎかな」とかまた余計に心配してしまうので流すようにしている。夫はしでかした失敗をいたく気にする。息子はこれからのことの方が心配なようだ。とにかくあれやこれや心配し過ぎて、緊張している。初めてのことは特に、どんなものか想像もしようがないだろうに、一人で心配し緊張している。
 ただ、先ほども書いたように、息子は切り替えが早いので、終わったらスッキリしている。これは私もさすがについていけないくらいである。さっきまでの緊張は何?というくらいにあっさりしている。
 最近知った息子の新たな一面は、意外と人をまとめる力があるということである。これも夫に似たようだ。そして「そういう役割は本当は好きではない」「できればそういう役割からは逃れて良い」と思っている部分まで似ている。だから本人は不本意なのに、人はまとまる。便利だと思うのだが、勝手に先生などにそういう役割を押し付けられるので、やっぱりいやなようだ。息子は、まとめるのは好きではないし緊張もしやすいけど、割と皆の前に出るのは好きという一見相反するような部分もある。幼稚園のころからお遊戯や運動会などの発表の場。小学生に上がっても、目立つ楽器や役柄を選び、積極的に発言する。母や兄にもあった面らしいが、はっきりとはわからない。嫌いじゃないらしい。これは断じて私ではない。私はそういう場には決して出たくないので。もちろんまとめる力も全然ないし。