どんな年齢だってそりゃ個人差はありますよね。きっと、私は殻を守れていない人間らしさがつい出ちゃっている人が好きなのだろう。で、おじさんたちには、その良さが自然に出てきている人が多い。もう隠せなくなってしまっている。
 そんなわけで、多分ダンナがいるおかげである。あと、奥田民生のファンになったからである。一緒にちゃんと年を取っていく。おじさんになっていく。当たり前だ。ユニコーンの他のメンバーも、私より10歳以上年上だったりする。さまぁ〜ずだって、私が28歳頃、ファンになり始めた当時は30ちょっと過ぎだったのに、気がつくともう40後半である。立派なおじさんだ。最近では、ココリコ田中とかピエール瀧なんかが、‘素直な気の良いおじさん’全開で良い。おじさんぷりだけで言えば、タモリとかウッチャンは絶品である。春風亭一之輔も良い。でも彼は30歳後半だ。メガネなんかかけると、相当おじさんらしい風貌だがギリギリまだ若い。ハライチ澤部君もおじさんぽくて良いがまだ若い。彼らはきっと良い感じのホンモノのおじさんになるに違いないと期待している。なんだか書いていることが、「熟女芸人」を公言してはばからない人たちの言っていることと、大して変わらないような気がしてきた。
 まあそうやって、私は自分の年齢を受け入れ、年上の人たちの良さも受け入れるようになっていったのだろう。
 「自分の子供の年齢が上がるにつれて、子供の年齢までの子供が苦手でなくなっていく」のと同じで、夫の年齢が上がるにつれ(私もなんだけど)おじさんが大丈夫になってきたのではないかと思う。自分自身も40歳前くらいに、自分がおばさんになった実感として、心の葛藤があった。身体だけでなく、それまでとは精神的に大きな隔たりがあるのだと感じだ。そして、夫も私もそれなりにちゃんとおじさんおばさんらしい風貌になってくる。それにつれ、年下の異性を物足りなく感じ、周りからも、おじさんおばさんらしい扱いを受けるようになる。肩肘張って大人っぽいことを言おうと心がけなくても、いつの間にかおじさんおばさんの目線で話すようになってしまう。
 こうやって書いていくと、今の私の思う「おじさん」は、40歳以降らしい。ヨロヨロになるおじいさん直前までおじさんと思っているので、年齢の上限はかなり個人差がある。ただ、精神年齢としては、少しくたびれているくらいが良い。実際にくたびれているかどうかは別として。年齢からしてあちこち気をつけなくちゃいけないところがあるのもまたおじさんらしいのだが、もうカッコつけることができないというか。青臭いのも可愛いが、キュンとはならない。青臭いのは、仕事に対する情熱くらいで良い。日常生活やちょっとした会話においては青臭いのではなく、おじさんは、人間くさい。哀愁もある。作った哀愁ではなく、人生経験が語る哀愁である。家族を愛していたりすると、その哀愁には、ますます嘘臭さがなくなり、背負っている物を感じて良い味出している。そしてあきらめの混じった素直さがあり、自由である。
 そんなわけで、私は世のおじさんたちを応援している。家族のため、自分のために頑張っている。いつもお疲れ様。人生を楽しんで下さい。そして何よりも体を大事に。