二度目かのアンコールで『すばらしい日々』を歌ってくれて、ああ最後なんだなと思った。この曲、色々な場面で私自身も思い入れのある曲なので、最後だしグッと来た。
 立体的な彼も、しばらくはお目にかかれない。
 でも、後からCDを聴いて、こんなだったなあなどと余韻にひたっていると、あれっここのコーラス誰だっけ、演奏はどんな風だっけ、と確認したいことがまた次から次へと出てきた。何度もコンサートは行けないから、ツアーのDVDを、と楽しみにしている。
 隣の息子も楽しんでくれた。最初から手拍子でリズムを取っていて、体を揺らしていた。彼のリズム感は元々良いのだが、ドラムを続けていることもあるのだろう。私が、周りのノリに翻弄されたり、見る方に気を取られてしまったり、他の楽器の音に翻弄されそうになったりしても、息子のリズムはブレることがない。そのため、あれっズレてきたのかなと思ったら息子の方を見て、リズムを取り戻すことが何度かあった。夫が言うには、息子は楽しそうに終始ニコニコしていたらしい。息子は、終わったら「短く感じた!」と言っていた。川西のドラムっぷりも、『俺のタクシー』という曲で、小さなドラムセットを組んでいるのも、一生懸命見ていたようだ。4階席は数列しかなかった。上から見下ろす感じになるのだが、息子としては、ドラムがよく見えて良かったかもしれない。
 ちなみに何列かしかない4階の雰囲気は、終始和やかであった。隣には、男子二人連れ。男子と言っても、30代で私よりは年下かなっていう程度の男子。でも、二人ともユニコーンが好きなことがよく伝わってきた。この二人が結構よくノッて大声も出していたので、私もノリやすかった。ただ、私が自分でも気づかないうちに一緒に大声で歌い、しかも歌詞がわからないところはもしかしたらうっかり鼻歌で大声で歌っていたかもしれないので(音が大きいので自分の声がどの程度出ているのか気付かない)ちょっとうるさいイタイおばさんだなと思われていたかも。他に手すりにもたれかかっている人や座っている人も結構いたし、ノリノリのカップルもいた。皆それぞれな感じが、4階席の良いところであった。
 そうそう、キラキラの紙テープが飛んできた時、私はちょっとムキになって取った。何しろ、以前お笑いライヴで、ナイツの塙がこちらに向けて投げてくれた(と思い込んでいる)のに、私は受けそびれたのだ。せっかくのサインボールを取り損ねた私は、非常に後悔したので、今回はムキになったら、隣のお兄さんが、遠慮して手を引っ込めた。ごめんね、でも今回はもらうわね!そして、息子に渡すと、息子もテープを振ってノッていた。
 4階は結局、ほとんど見てもらえなかったが、阿部は何度もこちらの方を見上げてくれた。静かに立っていた夫も、メンバーの誰かが上を向いてくれると、両手を振っていた。