嬉しかったのは、解散前の曲を目の前で聴けたこと。中でも大好きな曲、『大迷惑』と『スターな男』である。夢のようだった。
 『スターな男』は、私が高校生の頃、ダウンタウンウッチャンナンチャンが組んでのコント番組でかかっていた。当時はユニコーンにさほど興味はなかったが、あの曲は好きで、当時から何度も繰り返し聴いていた。この曲を奥田民生が歌っていたと、後から知った時の感激。こういう声が出るんだ、っていうキュンキュン感。それを目の前で見れた。
 ノリノリだった私だが、時々じっと見てみることもあった。それは、演奏している誰かや歌っている奥田民生を見たい時であった。気が付くと、じっと見ている瞬間もあって、そこから慌ててノって聴くのもなんだか恥ずかしいので、じっとしたままノリノリの曲を聴いたりしていた。目に焼き付けておかなければと。とにかく、一曲一曲の間に、あちこち見なければいけないところが多すぎて、各曲の演奏がとても短く感じた。
 『大迷惑』では皆で大声で「だ・い・めいわく!!」と叫び、別の曲ではマイクを客に向けた時に必死で歌った。歌詞、うろおぼえだったけど。『KEEP ON ROCK’N ROLL』では、「keep on rock’n roll!!(カタカナ英語は恥ずかしいので、どさくさにまぎれ、発音が忠実です)」と一緒に両腕を突き上げて盛り上がった。
 今回、待ち遠しかった曲は、阿部の『Boys&Girls』と、奥田民生の『ユトリDEATH』である。阿部の『Boys&Girls』は、昔のバンドブームがあった頃の曲っぽい。阿部は度々こういう曲を度々作ってくれる。古い感じなのかもしれないが私はこの手の曲が相当好きである。しかも阿部のメロディラインはいつも、聴く側が気持ちが良いように作っているので、サビの部分なんかも、つい一緒に口ずさんでしまう。ライブなので、つい大きな声で。前奏や間奏、歌の最中にも、ドラムとギターがカッコ良い瞬間も何度もある。どんな風に演奏しているのか、そっちも目に焼き付けたい。とにかく忙しい。
 奥田民生の『ユトリDEATH』は、わざわざDEATHと書いてブラックな感じを出しているように、メタル調なのである。これを聴いた時に「誰の声?」と思って、確認すると、奥田民生と書いてあった。またキュンキュンである。こんな声も出るんだ。今回は、この曲をもっとも楽しみにしていたと言って良いくらいである。この曲の最初から、奥田民生のギターとテッシーのギターがめちゃめちゃカッコ良かった。夫も私も、アメリカのメタリカというバンドの曲を時々聴いていたくらい、メタル調の重たいのも好きなので、こんな曲も大歓迎なのだ。アルバムで聴いた時から「カッコ良いね〜」と話していた。
 でもやっぱりノリたいし、じっと見たいし、モニターで顔を見たいし、ホンモノも見たいし、視線が忙しくて仕方がない。でもできるだけ立体的な奥田民生を目に焼き付けたい。ああでも顔がよく見えない!!やっぱりモニターも。
 再結成した後だけど、ちょっと前の曲も聴けた。『オレンジジュース』も大好きな曲である。『WAO!』は、阿部の気持ち良いメロディラインと、テッシーのタッピングが見どころ。最初の奥田民生カウベルも。全然覚えていないのに、手拍子を合わせたくなっちゃってグダグダになるのだが、テンションが高いので、もうそんなのどうだって良くなっちゃっている。