前日は、眠れなくて困るほどではなかったが、遅く寝たのに朝早く目が覚めて、昼寝もできない。神経が興奮しちゃって、自律神経が調整できていない。
 予約していたカットに行き、美容師さんたちに自慢してきた。伸びていた髪の毛をバッサリ切って、どんぐりみたいになっちゃったけど、清々しい気分になった。
 夫の仕事が終わるのを少し早めてもらい、短縮授業で宿題を終えた息子を連れて、隣りの市へ。会場は、既にたくさんの人がいた。
 入場の時間になってからも混んでいるので、はやる気持ちを抑え、後からゆっくり入っていった。4階はやっぱり高かった。ステージを見下ろす感じ。幕を見て「もう準備しているのかな?」と、ドキドキした。少しずつ変な汗が出てきていた。脈も速い。
 そして、幕が下りる。
 一瞬の絶句。そして感激の波が押し寄せてくる。
 「……!」
 「ほんものだ!!」
 ベタだけど、最初の気持ちである。
 すごい!!10〜15センチくらいにしか見えないけど。でも、何といっても立体的なのだ。
 そう、一番強く印象に残ったこと。それは、「立体的」であるということ。
 ずっとDVDで観てきた私としては、3D映画どころではない立体さ加減がたまらなかった。奥行きがあって、人としての形を成していてその肉の塊が動いている。何言ってるんだ私。でも、その立体的な奥田民生に感激した。最初はEBIちゃんが歌っていたのだが、もうなんか最初の数曲は印象にないくらい、舞い上がってしまった。熱気もあったのだろうが、変な汗が体中に広がった。種類で分けたらきっと臭い方の汗だ。だって、手の平や顔、背中もドッと汗をかいたけど、暑さや運動で出た汗じゃないから……まあそれは良い。
 そんなわけで、私の今回の一番強烈な感想は「立体的」である。
 曲は。演奏は。本人たちの感想は。もちろんこれからたくさん書き連ねていくが、やっぱり何度も何度もしつこくDVDを観てきた私としては、「立体的」を感じたのだ。何度も感じた。
 きゃー立体的!!
 いやあ、すごいわ、立体的!
 立体的って可愛い!!
 しつこいが、奥行きがあって、肉体なのである。カタマリなのである。平面じゃない人間が動いているのである。当たり前なことを書いている。でも、ずーっと画面上の人だったわけだから、初めて大好きなホンモノの人を見た時って、そんなものなのかもしれない。でも私はこの立体感を、最初から最後までとにかく実感しようと、「本物なんだ」と何回も自分に言い聞かせ、目に焼き付けた。