玄関横の、大きな土間のような空間は作ってもらえて、本当に満足である。
 でも、靴箱もその空間に備え付けてもらったのに、なんだかやたらに玄関が広くなってしまい、無駄だと大笑いした。あと、トイレの前も、階段の踊り場か!とツッコミ入れたいくらい、謎の空間がある。でも、どちらも住んでみると、ありがたく使うことになる。それに、夫は「こういう無駄さが、気持ちの余裕を生むんだ!」とかもっともらしいことを言うので、「そうだそうだ、これで良いのだ!」と、別に建築家でもなければ、間取りのプロじゃない私は、自分を納得させた。間取りのプロってなんだ。
 間取りで気に入っているのは、ダイニングから、少し階段を付けた書斎である。建築屋さんのスタッフの方が、案を出してくれて、それがとても気に入った。
 もう一つ、台所裏の収納スペースにも階段を入れてはいかがかと案を出されたが、そうなると、きっと裏の収納に行くのが、億劫になってきて、「片づけとか物を出すのが面倒くさい」とか私が言い出すに違いないと思い、そこは平のままにしてもらった。
 その書斎が、ダイニングなどからは見えにくく、雑然と物を置いていても平気な所が素晴らしい!!ちょっと「素晴らしい」点が、間違っているのかもしれないけど。でも本当に便利である。ポンポンと、書斎の机にも、足元にも、気軽に荷物を置いてしまえる。
 間取りに関しては、玄関とトイレ前の謎のスペース以外は、無駄のないよう、こじんまりと仕上げてもらうよう工夫した。とにかく、部屋の坪数を減らして、少しでも安く。身の丈で良い。そんな感じで決まっていったのだが、そこから細かな決定事項が色々と山積みであった。
 家の設計が決まってくると、コンセントの位置、照明の位置を決めなければいけない。コンセントは、できるだけ多い方が良いという情報は得ていたので、不満を感じないように気を付けたが、実際使ってみると、全然使わないのに、相手に言われるがままに「そうですね〜」と付けたコンセントがある。しかも一か所に4つ。すごく気を利かせてくださったのだとは思うが、全然使っていない。何故ここに4つ……。そして、ここにコンセント欲しかったなあっていう部分は、やはり出てきた。2〜3か所ある。でもこれは、暮らしてみなければわからないもので、仕方ないのだろう。
 それから、窓枠や窓のサッシの色。
 正直、何色が良いのかわからない。でも、選ばなくてはいけない。
 「わからない。」と、正直な思いを口にしながら、夫と適当に選んだ。出来上がった物を見ても、やっぱりピンとこない。これで良いのか良くないのか。センスってなんだ?段々自分の色彩感覚や、「オシャレってなんだ」っていう、それなりに信念としてあったであろうものが揺れに揺れて、ブレていくのがわかった。