男の人と女の人の違いについて、時々書くけど、これも、子供の心を勉強したり、それに関する本を読んだりしているうちに、必然的にたどりつくことなのです。
 『男の子の脳、女の子の脳』(レナード・サックス著 草思社)で、脳の性差について知り、ここで得たことは色々な親と会って喋る時に、役立つ。皆、わからないと不安になるものだし、それが、怒りや苛立ちにつながることもある。私を含め、そういった感情を納得させることのできる本である。
 脳の性差について、割と最近、実感したことがある。夫と息子とで喋っていると、私はすぐに話題を変えたがり、夫や息子は、いつまでも同じ内容について話そうとすることに気付いた。私もそれまでは無意識だったのだが、気にし始めると、それまで話していたことの単語の端っこから、容赦なく「そういえば」が出てくる。話題と関係なくても、単語でも引っかかる。人の話題なら、その人に関連すること、何ならその人に似た名前の人、果ては、その物事から連想する事をしたというだけで、まったく関係ない人のことまで出てくる。ふと言おうとすると、夫や息子が、またさっきの話題を続けるので、まだそのことについて話したいんだなと聞く。こういうことが何度も続くので、気づいてからは、ちょっと待ってみることにした。すると、案の定、男性陣は、またさっきの話の続きをし始める。その現象が面白く感じてしまい、男性と話す機会がある時も、ふと思いついた話題があっても、とりあえず待ってみる。やっぱり、さっきの話の続きをする。
 これが、女性同士だと、全然違う。男性は「女の人って、話にオチがなくて、解決を求めていない」って言うけど、まさにその通りなのです。私も、夫と二人きりの時は、遠慮がないので、時々我に返ると、やっぱり私の話はあっちこっちへポンポン飛んでいる。どんなに短い話題でも、思いついたことを何でも言ってしまう。Hi-Hiのネタを思い出しちゃいました。病気って言ってましたっけ?あはは。
 女友達とでも、母とでも、話していると、どんどん話題は変わる。もっとそれについて掘り下げて話したい時もありますが、そんな時、女性は、話を戻せるんです。無理やり。そうそう、それでね、話が戻るけどね。とか。話が飛ぶけどね。とか。で、あれっ、何でこの話になったんだ?ってこと、しょっちゅうある。男の人にももちろんあるだろうし、男女の会話でもあるだろうが、女同士だと、非常に頻繁。それですんなり戻ることもあるし「なんでだっけね……ああ、あの話からこうなってこうなったんだ」って復習して、アハハ!!!って笑っておしまいなのだ。なんなら、「いやそれでね」とか「しつこいけどさっきの話でね」とか言いながら、お互いに、自分の話を一方的にして、別々の話が同時進行していることがある。どちらも自分の話をしているので、かみ合っていないけど、気にしていない。聞いてもらえた気がして、あー楽しかった!で、スッキリする。
 そんなだから、私の文章も、よく脱線してしまうんでしょうね。ダラダラと長くなっては、話を戻したりするので、余分な所を削ってもっと良い文章にはなるんだろうけど。
 しかし、会話に関しては、男の人の会話の流れを客観的に捉えることが面白くなってしまったおかげで、女性同士の会話の運びも、以前より面白がれるようになりました。