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あまりにも印象に残る、美味しくないレストランでの話だ。
友達二人と、飛び入りで入ってみたのだが、何から何まで裏切られた。
まったく印象に残っていないサラダ。
化学的なにおいが強烈なスープ。
そして、メインのパスタ。
……ジャガイモが入っていた。「何故、パスタにジャガイモ……。」
家庭で「挑戦してみたの。」の創作料理なら良い。でもあきらかに「ジャガイモがパスタに入っていると美味しいもんだねー!」ではないのだ。食べたら想像通りの味なのだ。
「パスタにジャガイモが入っている」。
当たり前である。お店の人は、試食したのだろうか。まかない料理でも、ジャガイモはパスタに入れないぞ、私なら。せめて別々に食べる。炭水化物に炭水化物を入れたメインを、もそもそ食べながら、それでも文句を言わずに、友人と、楽しくお喋りをした。
こんな物で満腹になってしまった。なんだか不本意。
よくこんなで、イタリアの旗を店の外に出したなあといったシロモノである。
抜群に美味しい物を出せとは言っていない。書いているように、特別私はグルメなんかじゃない。そこそこ美味しかったら、満足できる。でもなんだろうコレ。
ガッカリしたものの、最後に、デザートが出ることに対して、しつこく期待を残してしまった。写真ではぼんやりとしか写っていないが、小さなカップに黄色い物が入っていたので、プリンだと思い込んでいた。それでお口直し。ちょっとマズかったら最後まで残念だなあと思いながら、デザートを待っていると。
デザートが来た!
……と、喜ぶ間もなく、目の前には、小さな皿に入ったパイナップルが入っていた。それも輪切りの8分の1くらいが、2切れ。上に、あまり好きではない生クリームも乗っている。そう、もう、めちゃめちゃ嫌いでもないのに、生クリームのことまで細かくケチをつけたくなるくらい、私の頭の中では「残念過ぎる!!」が、こだましていた。
普通のスーパーで売れ残ったのかっていうくらい、パサパサのパイナップルであった。
女の人は、よく「雰囲気で料理を食べるから、味は二番目」って言いますよね。もちろんそれで美味しかったら言うことないし、そこそこの味で料金も割に合えば、ヨシヨシ、たまにはちょっとおしゃれな所でランチも良いものだと思える。
が。
今回のはさすがに、ファストフードで食べるサンドウィッチの方がおいしいのでは、という気持ちが湧いた。しかし、私たちはしっかりとお喋りを楽しみ……というか、せめてお喋りを楽しみ、店を出た。
店を出ると、友達は開口一番に「ジャガイモが入っていた。」と苦笑いしていた。
私は「プリンだと思ったら、パイナップルだった……。」と、最後の最後まで希望を捨てなかったのにやっぱり裏切られたという思いを口にした。