ここのカテゴリーでは、まずは建てるまでがクライマックス。あとは気楽に何かあったことを書いていこうと思います。もう一つクライマックスは、庭のこと。どちらのことも、引っ越し前後2〜3年がメインになると思うので、そこが一段落したら、あとは、ぽつらぽつらと書いていくことになるのだろうが、とりあえず、たくさん書きたいことはある。
 引っ越しを決める数年前から、そこのアパートを出たかったので、何となく周りに目を光らせていた。土地のチラシを見たり、この辺りの不動産屋のホームページをのぞいたり。
 口が堅くて信用できる、親しい友達2人にも「アパート出たい」と話していた。
 でも、もしかしたら、夫の転勤で、家を建てて間もなく、いや、家を建てた瞬間、いや、なんなら契約した直後に、その計画が台無しになるかもしれない、という気持ちがあったので、まったく踏ん切りがついていなかった。
 転勤に関しては、何度も夫に確認していたので、夫はそれを聞かれるのがうっとうしかったのではと思う。でも、それはこちらの日常生活にも大きな影響を与えることで、息子の今後の教育のことももちろん、日々のアパートでの暮らし、軟弱な私にとって、医療関係のことは大事だし、色々考えなくてはいけないことがあった。なので、こちらも「いやだろうな」と思っても、確認しなければ、数年後のことさえ予測がつかなかった。
 で、私が「アパート出たいんだよね〜」と打ち明けていた友達の一人が、別の友達の家に遊びに行かないかと提案してきた。その人が誘ってくれているよ、と。そして「そこの家行ったら、ますます家を建てたくなるかもー」と笑っていた。
 案の定、そこの家は素敵で、その人の話を聞いているうちに、あっという間に、そこの建築屋さんに興味を持った。
 最初はどういう対面だったか忘れたが、とにかく、その社長である、私と同じくらいの年のおじさんに、ちょっと引いた。にこやかで腰が低すぎる。話、本当にちゃんと聞いているのか?喋りにくい。でもきちんと対応し、行動に移すそのキャラに、魅力も感じるようになる。面白い人だねと、紹介してくれた人に言ったら、笑っていた。誠実だから、あの人になら、家のこと、何でも相談して、遠慮なく聞けば良いよとのことだった。
 引っ越したい気持ちがあることを伝え、市内のどの辺りで土地を探すことも伝えたが、夫の転勤の可能性があるということも伝えた。あらゆる土地の情報をくれたが、なかなか値段と広さのバランスが取れない。いや、都会やそれに近い住宅街と比べると驚きの安さなのだが、ここよりさらに、少し山の方に行くと、もっと安くて広い土地がたくさんあるので、なかなか妥協できないのだ。
 じゃあそこの、少し山の方にすれば良いじゃないかと思われそうだが、息子の学校の問題、登下校の道の問題、あと、夫への職場への問題があった。何しろ、結構雪深いもので。
 お金がねー……。あと、夫の転勤がねー……。って感じで、のんびり悠長に構えていた。
 息子が中学に入る頃に引っ越しってことでも良いかな。それまでに転勤になるかもしれないし、息子が中学生になる頃にまだこの土地にいたら、さすがにもう転勤はないだろうと思い。