さて、新しく出たアルバム(これを載せる頃には、だいぶ前の話になっているでしょうが)『OT COME HOME』ですが、これもまた『OTRL』の時と同じように、奥田民生が一人で楽器を演奏して作ったアルバムのようだった。
 「こんな大変なこと、二度としない!」とか言っていたのに、結局またやりはったわ……とか思った。見ている側からはよくわからないようなものだが、まあ見ているだけで、しんどそうなのは間違いないのだ。
 このアルバムを初めて聴いた時に「カッコいい!」と思った印象は、聴く回数を重ねても変わらず、まだカッコいい。いつもはドラム以外、そんなに気にしないバックの演奏が、今回はよく耳に入ってきた。ギターも、どれもソロの部分なんかはカッコ良くて、きっと舞台映えもするのだろうが、このアルバムでは、特にベースがよく耳に入ってきた。中でもベースがカッコ良く聞こえたのが、『フリー』と『風はどこから』。
 ギターの経験が少しはある夫が「これって、本当に奥田民生が全部演奏したの?」と言いながら、ジャケットを見ていた。そして「こんなにもベース上手かったっけ?」と感心している。元々ベーシストであり、ギター演奏にも定評のある彼だが、今回は、ベースが、色々な曲で際立っていた。無頓着な私が感じるくらい強調されている気がする。うふふ。
 ドラムは、まだ少しもったり感があるが、それでも以前よりグンと減ったように思う。ドラムを習って数年の小学生息子も「ドラムが上達したねえ」なんて、生意気にもコメントしています。そんなこと言っているけど、息子、最初は奥田民生のドラムだとは気付かなかったようで、「このアルバム、今度ドラムで練習したい」と言った。
 キーボードも以前よりヒヤヒヤものだった緊張感が、落ち着きましたね。れんしゅう、れんしゅう、しましょ〜って頑張ったのかな。
 『フリー』は、1曲目としてもふさわしい気がするし、ベースもギターも、奥田民生の声も、全部めちゃめちゃカッコいい。1曲目って、こうあるべきみたいな私の先入観と偏見を見事に表してくれています。
 『息をするように』は、「早く大きくなるんだぜ 食べて泳いで歌って」のところが大好き。勝手に父親目線だなーと思っている。しかも、「食べて」「泳いで」「歌って」大きくなってね、っていう言葉の選択が良い。
 『チューイチューイトレイン』も、CMで使われていて、ギターのソロの部分で色々言いたいことはあるけど、私は単純なジャッジャージャジャのところが良い(わからないですよね)。ベイベってのも良い。他の歌詞も良い。40超えた私も、もう少し周りの目を気にしても良いのかなと思わせられるような、勘違いをさせられる曲である。むふふ。
 良いとか好きとか、全然解説にも分析にもなってなくて、個人的な好みばかり書いてあるのを、聴いていない人が読んでもよくわかりませんね。でももう少し続いちゃいます。