そして、やっとこの話にたどり着きますが、父と息子の関係について。
 自分の兄と父親を見ていたこともあるけど、それはあまりに家族の渦に自分が入り込んでいて、主観的になり過ぎていたためと、意識的に見ていたわけではなかったので、よくわからなかったことが多いのだが、まあ目に入るには入っていた。夫と息子については、意識的に見ている。目の前でいながら、夫は他人だし、息子に対しても、夫と接している時には客観的に見れるので。
 私の夫と息子の関係は、今の所、良好である。
 もちろん、葛藤もあったし、今まで息子への接し方で喧嘩になったり、もめたり、機嫌悪くなったり色々とあった。息子への接し方で、かなり話し合いや議論を重ねてきたと思う。時にはそうやって喧嘩したり、大真面目に話し合ったり。過去にも色々とあったし、日常的に今もあるし、これからもあるだろうが、とりあえず、今の二人はなんだかんだとよく話す。息子は、自分の父親に対して、怒ったり泣いたりすることもある。でも「僕の真剣な話は、ちゃんと聞いてくれる」と言っているし。まったく不満がないわけではないだろうが。……って書いていくと、グルグルきりがないので、とりあえず、そこそこ良好である、ということで。
 夫は、息子の訳のわからない専門的な話に対して、相応に話し相手になれるし、私の苦手なスキーやスケートも夫は楽しめる。自転車やジョギングも、二人で楽しんだり頑張ったりすることもある。時々、夫の熱が入り過ぎてしまうが、息子は嫌がって抵抗するので、段々お互いの妥協点がわかりつつあるような段階である。ゲームや漫画など、私がやらない、できない、読まないところも、夫は自分が楽しいからと、息子を巻き込んでいる。
 そのうち、思春期になり、反抗期がやってきて、その後大人になって、どういう風になるのかわからないけど、夫は、自身の反抗が激しかったそうで、男の子ってそのくらい反抗したって驚かない、と、今から覚悟も決めているようではある。今だって、息子は「もおお!!!」とか言いながら、物に当たりながら、自分の部屋で泣き喚くこともあるので、そのうちこれが直接夫や私に向かったりするんだろうなあ。とほほー。まあしょうがないですね。健全な成長の証として、奮闘しつつ、受け入れることになるんだろうなあ。とりあえず、それまでは、風通しの良い関係であってほしいと思っている。
 さてさて、周りは果たしてどうか。
 友達の子供たち、ほとんど男の子であるが、そういった子たちの話を、親同士で話している時や、その子供たちの話を息子とする時に、ふわっとでもお父さんの顔の記憶があったり、お父さんの影がちらついていたりすることがよくある。単純に、お父さんが関わっている家族、といった感じである。もちろん、先にも書いたように、それぞれの付き合い方があり、どんな接し方であるにせよ、子供にとって父親からのメッセージが肯定的なものであり、子供がそこそこに満足していれば良いのだろうと思う。