で、息子周辺。
 そんな風に、自分が5年生の頃、男の子がどうだったか、断片的にしか覚えていないけれど、とにかく、息子周辺の男の子たちを見ていると、まだまだ可愛い。
 幼稚園から知っている子に手を振ると、小さく手を振ってくれる。無表情だけど。声をかけると、「マジ?」とか、今どきの返事が返ってくる。無表情だけど。
 町内のお祭りで、息子が以前、クラスが一緒だった子を見かけると、ゲームなどで当てた景品を、宝物のように持っている。可愛い……。さらに「たくさん持ってるねー」とか声をかけると、ほとんど無表情だった顔が、少しニヤっと崩れる。まだまだあんなことで得意になってるんだ、可愛い……。
 小学5年生は、思春期入口ですよね。まだまだ大人とは程遠いけれど、本人たちは、段々子供扱いをいやがるようになる。ちょっと大人に近づいたつもりで、冷めた態度にしようとするのに、まったく無反応ではいられない、そんな彼らの様子が可愛い。
 微妙な年齢に差し掛かり始めているので、改めて、その年頃の心理について書いてある本を手に取ってみる。なるほどねぇと、以前より身につまされる部分が多い。
 面倒くさいけど、まだ可愛い。これから大変になってくるだろうけど、きっとやっぱり可愛いんだろうなあと思う。息子より大きくても、中学生や高校生が可愛く見える最近だ。もっと言えば、大学生や20代も子供に見える。30代なんか、ちょっと前なのに、男の人は、幼く見える。ああ、私も「オバさん」と言える年齢になったんだなと実感する。気が付けば、年下の友達含め、周りはどんどん「オバさん」なのである。友達なのに。私の感覚では、友達=子供同士、なのだ。でも、成人してからから随分経っている。変な感じだ。
 大人になったなと、自分が大学生の時に感じたが、先にも書いたように、今、大学生を見ると、子供だ。一人で暮らせるようになり、自分に責任も持てるような年頃になってはいるけれど、まだ可愛い。「大人」という感じではない。じゃあいつ大人になったのだろう?
 友達=子供だという感覚だけど、彼女たちも大人である。いつ大人になったのだ?
 私の場合、他人の子供に説教した時に、大人になったかなあと思う。
 でも、それなら、もっと若い頃からできる人もいる。そういう人は、私にとって、若くても大人なのかな??子供感覚で喋っている友達も、そういうことができる人は、その瞬間、大人だなと思う。でも、子供同士の感覚で喋っているから、変な気分になる。最近そういうことが本当に増えた。子供感覚で喋っているけど、そんな自分たちに子供がいて、とりあえずとても気にかけていて心配していて、世話をして、っていう、そんな存在だった自分が、ここ数年でやっと大人になったような。私は他人の子供に、遠慮して声をかけられなかったので。オバさんになったなあと思ったのは早かったのに、恥ずかしさがグングン減っていく自覚はあったのに、大人になったのは、ごくごく最近である。
 小学生の子供たちに声をかけたりしていると、可愛い。自分の5年生時代を思い返してみたりもしたが、結局、気軽に話しかけられる自分が、オバさんという段階を踏みつつ、大人になったことを自覚した。成長としては、逆みたいですが。